驚異のエージシューター田中菊雄の世界165 武藤一彦のコラム-1000回記念コンペ


 87歳、田中さんのエージシュート1000回達成を祝う「田中菊雄エージシュート1000回記念コンペ」は4月25日、東京・よみうりゴルフクラブに137人が参加して行われ午前8時、アウトコースをトップスタートした田中さんは41、43の84、年齢を下回る、3アンダーエージシュートを達成、自らの快挙に花を添えた。3月24日に同コースを40・44の84のエージシュートで回り、生涯1000回目を達成した田中さんの快挙は既報通り。この日のエージシュートはその生涯記録を1022回と伸ばし今後のさらなる記録更新へ大きな期待を膨らませた。

 

 100回記念、300回記念など過去の栄光を物語る記念の品々と一緒に1000回を祝うポスターがクラブハウスに飾られた。18ホールのグリーンに立つ旗竿には、その笑顔を描いた旗竿がはためいた。コースは田中さんの栄光を祝う斬新な趣向であふれた。
 清子夫人はじめ3人の息子さん、孫も含め家族関係だけで30人余を越える大家族はすべてゴルフをたしなむ。家族5人でマークしたホールインワンは計10回を越える。驚くなかれ、清子夫人が4回、田中さんと次男が2回ずつである。これに最近、3男の雄三さんが4回目を達成した。
 いとこなどを加えるとクラブチャンピオンは昨シーズンだけで2人いる。クラブチャンピオンだけが出場できる、伝統の報知アマ選手権には雄三さんと従弟の田中耕太郎さんが出場した。エージシュートはそんなゴルフ愛いっぱいの環境から生まれている。田中さんがその先頭に立ってひっぱっている?それとも、その逆か?いやそんなことはどうでもよいのだろう。いい相乗効果となって田中さんの世界はいい雰囲気満ちている。
 この日、川崎在住の近所の友人たち、郷土の島根も入れ4コースに所属する会員や、ゴルフ仲間が参加、コーチの女子プロ、浪崎由里子さん、プロ野球、元巨人の尾花高夫さんの姿もあった。
 ホールアウト後、同じ島根出身、元国税庁長官の寺澤辰磨さんは表彰式のあいさつで「71歳で初めてエージシュートを達成して17年、田中さんのエージシュートの回数は85歳を過ぎ年間200回越えが当たり前。86歳時のラウンド数が年間334回でエージシュートは246回と過去の年間記録の最高を記録。ラウンド数の増加がエージシュートを増やしてレベルアップしている。今後3年でエージシュートは2000回を越えるのではないかと私は断言したい。2000回達成のコンペを楽しみにしている次第」と期待感をぶち上げ盛大な拍手を誘った。
 そんな励ましに田中さんは淡々と答えた。お礼のあいさつで感慨を込め、決意を語ったものである。
 「87歳になってなお、奮い立たせるエージシュートに出会ったという幸運に感謝している。先祖からもらった頑健な体があり家族、友人と共に仲良く生きることの大切さに感謝しながら、自分の努力で後ろ指をさされない人生を送りたいと努力させられている気がする。スポーツ競技はトシと共にアベレージは下がり、ゴルフも同じだが、エージシュートだけはその常識を破る興味深いスポーツ。先祖に感謝しながら、日々を楽しんでいきます。一緒に頑張りましょう」エージシュートを共に挑戦しようと一般社団法人、日本エイジシュートチャレンジ協会会長だ。
 加齢というスポーツに取ってのマイナス要因は、エージシュート挑戦にとってはマイナスどころかプラスに働く、と前向き人生の新たなスタートに熱意を込めてたくましく見えた。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。87歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。