◆日本男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第2日(29日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
世界アマチュアランク1位の中島啓太(21)=日体大4年=が38位で出て、16ホールを終え6バーディー、2ボギーの66で通算5アンダー。5打差暫定10位に急浮上した。予選落ちした米マスターズの経験を生かした“ニュー中島”スタイルで、チャージに成功。降雨により中島を含む24組68人が30日に順延となったが、今季国内初戦での予選通過、さらに史上5人目のアマ優勝を果たした昨年9月のパナソニックオープン以来の2勝目へ視界が開けた。この日、4ホールを消化したA・クウェイル(27)=キャロウェイゴルフ=が10アンダーで暫定首位。
苦い経験から学んだ新境地を、中島が体現した。バーディーは初日の3つから、16ホールで6つと増加。2ボギーが惜しまれたが、本人の捉え方は違った。「3番はナイスボギー。無理しないのは、このコースで大事」と、むしろ胸を張った。
3番ティーのドライバーショットは、左ラフの木の根元へ。強引にピンを狙わず、フェアウェーへ出した。「右が絶対ダメなホール。左を広く使う意識で、やりすぎた。林まで使ってしまった」。報道陣を笑わせる余裕で真意を説明。残り160ヤードのショットがグリーン右下へこぼれたのも「左バンカーにだけは入れちゃいけない」狙いの結果だ。
3週前の米メジャーで7オーバー64位の予選落ち。日本のホープには糧にする強さがある。「視野が広くなった。絶対に(センターを)外してもいい所はある」。大会前の言葉通りのアプローチで「ミスをしても、賢くやれば大丈夫。もっと賢く。誰よりも賢く、頑張りたい」。“大けが”をしない対応力の成長を示した。
昨年大会は12オーバー99位で予選落ち。雪辱の予選突破、さらにはツアー2勝目も射程内に入れたが「周りのスコアは決められない。まだ改善できるところは、たくさんある。自分のベストを出せればチャンスはある」。驚くほど冷静な21歳だ。(宮崎 尚行)