鈴木愛、今季3度目の首位発進 まだ未勝利…プロアマ戦ゲストの「最終日おらんなあ」で闘志「見返したい」


18番、鈴木愛がバーディーパットを決め、ギャラリーの拍手に応える (カメラ・馬場 秀則)

18番、鈴木愛がバーディーパットを決め、ギャラリーの拍手に応える (カメラ・馬場 秀則)

◆女子プロゴルフツアー ほけんの窓口レディース 第1日(13日、福岡CC和白C=6299ヤード、パー72)

 2017、19年賞金女王の鈴木愛(28)=セールスフォース=が、6バーディー、ボギーなしの66で回り、6アンダーで今季3度目の首位発進を決めた。前2週は予選落ち、62位と低迷も、17&18年に連覇を飾った好相性の大会で復調し、昨年7月の資生堂レディス以来となる通算18勝目に突き進む。ツアー6勝の小祝さくら(24)=ニトリ=ら4人が首位に並んだ。

 前半に40分間、雨で中断したが、鈴木は集中を切らさなかった。17、18番と上がり連続バーディーで、今季3度目の初日首位発進。「好きなコースでイメージ良く回れた」。初の賞金女王を獲得した17年から2連覇した相性のいいコースで、うなずいた。

 序盤の3番で9メートル、4番で8メートルとツアー屈指のパット巧者は雨で重くなったグリーンを攻略した。「長いバーディーパットが入ってくれた」。ショットでも、オフの期間から南秀樹コーチ(48)と取り組む左右の動きを少なくした新スイングが好調で「安定していた。形はほぼ完成」と手応え。17勝の実力者は「(永久シードの通算)30勝を目標にするため1シーズン1、2勝ではなく、長年勝つためのスイング作り」と狙いを明かした。

 3戦前に8位も、ここ2試合は予選落ち、62位と波に乗れなかった。第2日から80、78と続いた前週のメジャー大会での心境は「久しぶりにムカついた。イラッとした」。それでも、14年下部ツアーを含め3度トロフィーを掲げた地でプレーがかみ合い、「アップダウンがあり(地元)徳島のコースと似ている」と、しみじみ語った。

 今季は大会初日に好発進も失速する試合が目立つ。ある週のプロアマ戦では、ゲストから「愛ちゃんは最終日おらんなあ」と冗談っぽく言われてグサリ。「ちょっと言い返したいけど、合ってるから」とグッとのみ込み、「見返したい」と反骨心に火がついた。

 「そろそろ優勝したいので、できればここで優勝したい」と逆襲に燃える元女王。28歳の誕生日を迎えた試合前の9日は「日常の一つという感じで特に何も。洗濯を3回まわしたくらい」と落ち着いたもの。たまった鬱憤(うっぷん)を洗い流して、スッキリと今季初Vを手にする。(岩原 正幸)

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