原英莉花「大吉だったんです」大会前のおみくじで逆転Vへ吉兆 今季自己ベスト67で2打差2位浮上 


10番、大勢のギャラリーが注目する中で、ティーショットを放った原英莉花(カメラ・馬場 秀則)

10番、大勢のギャラリーが注目する中で、ティーショットを放った原英莉花(カメラ・馬場 秀則)

◆女子プロゴルフツアー ほけんの窓口レディース 第2日(14日、福岡CC和白C=6299ヤード、パー72)

 11位から出た原英莉花(23)=NIPPON EXPRESSホールディングス=が6バーディー、1ボギーで今季自己ベスト67で回り、通算8アンダーで首位と2打差の2位に浮上した。大会前に訪れた福岡市内の神社で「大吉」を引き当て、昨年11月の大王製紙エリエールレディス以来となる今季初優勝へ上昇ムードだ。渡辺彩香(28)=大東建託=が10アンダーの単独首位で、通算5勝目に王手をかけた。

 原が抱えていたモヤモヤは、この日の青空と同様にくっきりと晴れていた。持ち前のパワフルさで会場を沸かせた。圧巻は4番パー5(545ヤード)だ。3ウッドの第2打を「狙っていた」と11メートルに2オンし、3個目のバーディーにつなげた。6バーディーを量産し、今季ベストの67で2打差の2位に浮上。「今季初めて(の優勝争い)でワクワクしている」と笑顔がはじけた。

 新兵器がはまった。今週から3ウッドを変更し、ヘッドが大きいパターも投入した。後半は8~12メートルのバーディーパットを3発沈め「(ショットも)振り切れている。パッティングの感覚もすごくいい」と復調を実感。今年はトップ10が一度もなく、沈みがちだった内面の変化が大きいという。

 2週前の大会では「山登りからバンジージャンプのように、気持ちがガンゴンガンゴン(揺れている)」と、精神的に乗らずに悩んでいた。だが、予選落ちした前週後、冷静に振り返ると「プレーはそんなに悪くない。あとは気持ち」との結論に達した。髪の毛を約5センチ切って臨んだ今週は「いいところを探すように。ポジティブに」と心に決めた。

 福岡では18年に下部ツアーを制し、20年日本女子オープンで初のメジャータイトルを手にした。その2度とも同市内の神社を訪れ、「おみくじは大吉、吉。今回は火曜日(10日)に行って、大吉だったんです」と“吉兆”をうれしそうに話した。

 通算5勝目のチャンスに「最終日もマイペースで楽しくプレーして、優勝できたら」と言葉に力を込めた。“いいところ探し”で前向きな思考になった23歳は、「人に怒らなくなった」「パターを思い切って替えた」「信じる者は救われると思っている」と、自身の良いところを愛嬌(あいきょう)たっぷりに語り、大吉パワーで逆転Vを願った。(岩原 正幸)

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