小祝さくら今季初V 黄金世代初の生涯賞金4億円突破「前半戦で優勝を挙げることができてうれしい」


最終日、優勝カップを持ち満面の笑顔の小祝さくら(カメラ・今成 良輔)

最終日、優勝カップを持ち満面の笑顔の小祝さくら(カメラ・今成 良輔)

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 最終日(29日、山梨・メイプルポイントGC=6580ヤード、パー72)

 小祝さくら(24)=ニトリ=が通算17アンダーで逃げ切りツアー通算7勝目を飾った。2差首位で出て、2バーディー、1ボギーの71で回り、昨年8月のCATレディース以来で今季初勝利。生涯賞金4億円を突破した。次週の海外メジャー、全米女子オープン(6月2~5日・米ノースカロライナ州)に弾みをつけた。菅沼菜々(22)=あいおいニッセイ同和損保=とサイ・ペイイン(31)=台湾=が2差2位だった。

 小祝が18番でウィニングパットを入れると安どの笑みを見せた。18番グリーンで同い年の勝みなみらに迎えられ「いろいろな挑戦をする中で、前半戦で優勝を挙げることができてうれしい」と今季初勝利をかみ締めた。

 気温31・8度の暑さで周囲もスコアを伸ばす中で耐えた。前日に64を出し、今季初の首位で出た。だが、1番でアプローチをミスしパー。2番、3番でバーディーのサイに並ばれ「(優勝は)厳しいと思った」。その後もパットが「ダメダメ」とことごとく外れ、後続に3度並ばれたが、首位は一度も譲らなかった。サイとトップに並んだ13番で7メートルを強気に決めて勝負を決めた。「思い通りにいかず長い、タフな1日」と汗をぬぐった。

 今大会は3ウッドのヘッドカバーをピカチュウからクマのキャラクター・ケアベアに変更。次週のメジャーにも連れて行くという勝利の“クマ神”は小さい頃から大好き。会見で「成績を出してから」と我慢していたケアベアの縫いぐるみを「10体は買う。全種類集めたい」と自身へのご褒美を明かし、いつものほんわかトークで和ませた。

 22年は「チャレンジ」がテーマだ。昨季後半戦で武器のショットが曲がり「このままじゃまずい」。今季は一新して挑んでいる。ティーチングプロ・吉田直樹コーチと新たに契約し、スイングを変えて左に打ち出し右に曲がるフェードを習得。開幕前は「不安だった」と明かすが、今大会はフェードで攻め、4日間のフェアウェーキープ率は88%。「フェードに変えてからイメージがいい」と手応えを得てメジャーに向かう。

 次週は自身2度目の全米女子オープンに挑戦だ。国内は次週を出場せず、連続出場記録は142で止まるが、こだわりはなく「いろんな経験を積みたい」。30日午前中には渡米予定。前回出場した20年大会は通算10オーバーで予選落ち。新スタイルで成長を見せた小祝が、世界の舞台で雪辱を期す。

(宮下 京香)                     

◆小祝が今大会で達成した主な記録

 ▽生涯獲得賞金4億円突破 通算145試合目の今大会の優勝で4億226万9821円(歴代59位)となり、年少5番目24歳44日での達成。1998年度生まれの「黄金世代」では初の突破者に。なお生涯賞金歴代1位は不動裕理の13億6894万4382円。

 ▽ツアー連続出場試合142 18年から今大会まで継続し歴代4位の記録となった。最多は表純子の241試合(11年~17年)。

「チームさく」で全米女子OP雪辱へ

 国内ツアーの連続出場記録が「142」で止まるが、次週の全米女子オープン出場を決めたのは前回の反省があった。国内ツアーのオフ期間に開催された初メジャーの20年12月の全米女子オープンにショットの調子を上げられない中、キャディーと2人で渡米し、予選落ちで打ちのめされて帰国。母・ひとみさんに「もう海外には、行きたくない。ゴルフやめたい」と同年内はほとんど練習に取り組めないほど落ち込んだ。

 今年からユーチューブなどで見つけた吉田コーチと取り組む中で「ショットはずっといい」。今回は母と英語が堪能な吉田氏を含め“チームさく”が同行することも決断を後押し。調子を上げて今季初Vを手土産に世界最高峰の舞台に再挑戦だ。

 ◆小祝 さくら(こいわい・さくら)1998年4月15日、北海道・北広島市生まれ。24歳。母の影響で、8歳でゴルフを始める。飛鳥未来高卒業後の2017年、プロテストに一発合格。19年サマンサタバサレディースで初V。昨季5勝で賞金ランク3位。通算7勝。好きな色は黄。趣味はプロレス観戦で、新日本プロレスのオカダ・カズチカの大ファン。158センチ。

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