スポンサー8社の実力発揮「ゴルフ天才少女」須藤弥勒がジュニアメジャーで首位発進


タフな条件ながら71をマークし、2位に5打の大差をつけて首位スタートを切った須藤弥勒(提供写真)

タフな条件ながら71をマークし、2位に5打の大差をつけて首位スタートを切った須藤弥勒(提供写真)

◆ジュニアゴルフ世界メジャー ジュニア欧州選手権10歳女子の部  第1日(5月31日、英国スコットランド・ロイヤル・マッセルバラGC=3983ヤード、パー72)

 世界ジュニアメジャー4勝を誇り「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(10)=ゴルフ5=がタフな気象条件ながら、4バーディー、3ボギーの71で回り、2位に5打差をつける独走で首位発進した。ジュニア世界メジャー5勝目&史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムへ絶好のスタートを切った。今大会は3日間54ホールで行われる。

 出場13選手の平均スコア87。最下位の選手は115。昨年のキッズ世界選手権で弥勒と優勝争いを演じたニルビカ・コドル(米国)も11オーバーの83をたたくほど、厳しい条件で、弥勒は唯一、アンダーパーで回り、2位に5打の大差をつけて首位スタートを決めた。

 「朝は雨で寒くて、それから風が強まった。その後、晴れて暖かくなって、びっくりです。『スコットランドでは一日に四季がある』という格言は本当でした。とても、大変な一日でしたけど、まずまずの結果で良かったです」。弥勒はホッとした表情でタフだった第1ラウンドを振り返った。

 ジュニアゴルフ界では、歴史や予選会を含めた参加人数の多さなどで、世界ジュニア(米カリフォルニア州サンディエゴ)、キッズ世界選手権(米ノースカロライナ州パインハースト)、マレーシア世界選手権(マレーシア・ジョホバール)、ジュニア欧州選手権(英国スコットランド)が4大メジャーと言われている。弥勒は2018年と19年に世界ジュニアを史上最年少で連覇。2020年にマレーシア世界選手権で優勝。昨年、キッズ世界選手権を制した。これまで3タイトルで計4勝。今回、ジュニア欧州選手権を制すればメジャー5勝目で、史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラム達成となる。

 偉業に向けて絶好のスタートを切ったが、弥勒に油断はない。「スコットランドのゴルフは絶対に気を抜けません。ひとつミスをすれば試合が終わってしまうような難しいホールもあるので、気を引き締めて頑張ります。絶対に優勝したいです。日本から応援をよろしく願いします。力を送ってください」と弥勒は残り36ホールに向けて表情を引き締めて話した。キャディーとして共に戦う母・みゆきさんも「2日目以降、晴れで無風の予報なので、皆さんスコアを伸ばしてくると思います。私たちも頑張ります」と慎重、かつ意欲的に話した。

 今年1月からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、10歳ながら抜群の存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到。その中で、ゴルフ専門店のゴルフ5と所属契約とマネジメント契約、家具などの企画・販売を行う国内有数の大手ニトリとスポンサー契約を結ぶなど、弥勒のスポンサー企業は計8社に及ぶ。10歳の破天荒なアマチュアゴルファーはゴルフの本場スコットランドでも本領を発揮している。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。10歳。2歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導で成長を続けている。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇。現在、ドライバーの飛距離は220~230ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

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