西村優菜 車中泊での遠征に中古クラブ探し 苦労を重ね「両親のおかげ」


今季初優勝し万歳する西村優菜(カメラ・今西 淳)

今季初優勝し万歳する西村優菜(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス 最終日(19日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6563ヤード、パー72)

 首位タイで出た西村優菜(21)=スターツ=が6バーディー、ボギーなしのこの日ベストの66、大会新の通算17アンダーで逃げ切った。昨年5月の「母の日V」に続く「父の日V」を、史上12人目となる大会を通してボギーなしで飾り、今季初優勝&通算5勝目。“孝行娘”は今夏の海外メジャー2大会出場に前進した。稲見萌寧(22)=Rakuten=がホールインワンを決め、68で3位だった。

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 西村は5歳の時、趣味でゴルフをしていた父・武彦さんに連れられ、地元の練習場で初めてクラブを握った。6つ上の姉とともに、1回1000円で受けられるレッスン会に参加したのが始まりだった。

 武彦さんは運送業の会社員。母・枝里子さん(47)も西村が子供の頃は共働きで家計を支えた。クラブを一式そろえるにも、お金がかかる。決してゴルフを続けるには楽とはいえない家庭で育った。ジュニアの時は試合で「遠征がとにかく大変」(母)。毎回ホテルに泊まると費用がかかるため、5人乗りの乗用車で移動し、父と2人で座席を倒して眠る、車中泊もした。練習や試合で使うクラブも、父が中古店を何軒も探し回ってくれた。

 西村は優勝会見で「厳しい父でしたが、こうやって今、成績を残せているのも両親のおかげ」と感慨深げだった。(ゴルフ担当・宮下 京香)

母初めて見届け涙 〇…西村の全試合に同行する母・枝里子さんは目に涙を浮かべ「ドキドキしながら見ていました」と喜んだ。これまで3勝が無観客試合。昨秋のミヤギテレビ杯ダンロップ女子はチケットが抽選で買えず、ツアー5勝目で会場で見られたのは初となった。今季は勝利が遠く「もどかしい気持ちもあったと思う」と振り返り「なるようにしかならないと話していた。本当に良かった」と思いやった。

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