ヨーロッパゴルフ場巡りとプラスαの楽しみ方<5>


パリオリンピックのゴルフ種目が行われるゴルフ場、ゴルフナショナル

 

 あと2年に迫った2024年パリオリンピック。コロナやウクライナ問題で揺れる現代社会の中にあって、2年後のパリオリンピックは、ささやかな希望の光のように思えます。ゴルフがオリンピック種目に採用されたのは、古くは1900年と1904年、その後、オリンピックから外されていたゴルフ競技が復活したのは、2016年のリオデジャネイロオリンピック。しかし、競技日程やジカ熱などの問題で、主要選手の大半が棄権を表明したり、復活競技としての華々しさもなく、次の東京オリンピックに期待がかかりました。その東京オリンピックも2020年だったものが2021年に延期され、コロナ禍の中、無観客での開催と異例尽くしの大会となりましたが、日本が誇る松山英樹選手や欧米各国のそうそうたる選手たちが参加してくれ、オリンピック競技の中でも人気を博した種目の1つではなかったでしょうか?
 そして、いよいよパリのオリンピック。会場となるのが、パリ郊外、ヴェルサイユ宮殿の近く、ゴルフナショナルで開催されます。

練習グリーンと隣接するノボテルホテル

池の多いリンクス的コース

池に囲まれた最終ホールのグリーン


 

 イヴリーヌ県の広大な土地にゴルフ場が建設されたのは、1990年とそれほど古い話ではありません。そこにフランスゴルフ連盟の本部を置き、連盟が保有するという形でゴルフ場が誕生しました。フランスでのゴルフ人気は、お隣の英国と比べると欧州の中でも高い方ではありませんが、近年、フランスのリゾートを中心に、リタイヤ族の格好のスポーツとしてその人気を定着させてきています。昔から、英国人がバカンスに来る近場の国は、フランスで、英国より気候が良く、アウトドアスポーツに最適な環境の中に、彼らは自分たちの愛するスポーツを移植させてきました。
 フランスの場合、ゴルフ場の会員になるには、必ずゴルフ連盟に入会しなければならないという規定があります。連盟の会員カードは保険も含まれており、ゴルフ場でプレイをしていた時に起こる不測の事故などをカバーしたり、フランス各地のゴルフ場でコンペが行われている中での会員の公式ハンディを管理したり、連盟がフランス内のゴルフ愛好家を総括的に把握できるシステムを作っています。フランスゴルフ連盟としては、毎年開催されるフランスオープンなどの場所の確保など、頭を悩ませることが多く、その意味で、連盟が保有するゴルフ場の存在は悲願だったわけです。
 このゴルフナショナルのゴルフ場のスタイルは、内陸部にありますが、スコットランドのようなリンクススタイルで、ラフが深く、フェアウェイとの差が非常に大きいです。また、池など水の障害物が多く、メンタルの弱い人には厳しいコースとなっています。特に18番は、池の中にグリーンがある設計で、確実な距離を計算して、正確なショットを生み出さないと池にはまってしまうというもの、特に、最終ホールで、ギャラリーも多く、オリンピックの時は、ここで多くのドラマが生まれること必携です。

コースは柔らかな自然の起伏を利用して設計されている

ゴルフコースはアルバトロスとエイグルの36ホール

スコットランド的な自然がそのままのコース設計


 

 そして、オリンピックの前哨戦として、2018年には、ここで米国と欧州連合の代表選手で競い合う2年に一回開催されるライダーカップが行われました。圧倒的に米国の方が強い大会ですが、この年は、欧州連合が優勝、その時の模様の写真やグッズがクラブハウス内に多数展示されています。クラブハウスには、大小のミーティングルームも備えており、会社などのセミナーにも利用できるよう、設計されております。敷地内には、そうしたニーズを見越して、フランス最大ホテルチェーンのホテルも併設されており、ここに滞在して、ゴルフを楽しんだり、近くのヴェルサイユ宮殿を訪れたりと観光客にも人気が高いエリアなので、パリに滞在するのではなく、こちらに滞在して、パリを観光する逆バージョンも面白いかもしれません。
 クラブハウス内のショップには、フランスナショナルチームが愛用するトリコロールの鶏マークがついたグッズや2018年のライダーカップ時のグッズなど、ここだけでもじっくり時間を取りたいぐらい充実した商品が並んでいます。
 ゴルフ連盟では、ジュニアの育成など、ゴルフアカデミーの運営もここで行っており、オリンピックコースに採用されるアルバトロスコースのほかに、エイグルコースもあり、36ホールのコースと、練習場、パットグリーンなどを擁しています。

クラブハウスにもライダーカップのマークが

クラブハウス内ブティック

2018年ライダーカップロゴ


フランスナショナルチームのトレードマーク

2018年ライダーカップの欧州チーム

2018年ライダーカップの米国チーム


コース前にドライブレンジでウォームアップ

ゴルフナショナルのコース入口

池越えグリーン


GPS付きの電動カートも貸し出しできる

フランスナショナルチームのトレードマークの鶏とトリコロールカラー

ゴルフナショナル正面玄関


 

 さて、プレイするには、どのようにしたら良いか、ですが、シーズンによって料金体系が違うので、サイトでチェックしながら、サイトから非会員予約をクリックし、予約をすることができますが、アルバトロスコースの場合、オフィシャルハンディを求められます。フランス会員の場合は、フランスの各地のゴルフ場で行われているゴルフコンペに出場したり、公式ハンディを取りたい人の為のシステムから決定されてたハンディが既に会員証に明記されているので、一応、公式ハンディが28以下ということが条件で、大体70ユーロから110ユーロぐらいの間でプレイできますが、非会員の場合は、210ユーロ前後となります。詳細は、英語及び仏語で問い合わせをしてみてください。https://www.golf-national.com/contact/

 

弊社では、問い合わせ、予約代行も致しますので、お気軽にご相談ください。
アルプ・プランニング・ジャポン(Alpes Planning Japon)http://www.apjapon.biz/

 

◆神田美智子
フランス・シャモニー在住。大学を卒業後、スキーツアーのコーディネーターとして、海外スキー場に何度も足を運ぶうちにすっかりヨーロッパアルプスに魅了され、その後、スキー雑誌の海外特派員として原稿を書くかたわら、現在のシャモニーで日本人アルピニストと結婚。夫婦そろってゴルフが趣味で、バカンスの度に世界中のゴルフ場を息子2人も一緒に連れ回っているうちに、息子たちもゴルフ好きとなり、1人は、高校からカナダのゴルフアカデミーに行った後、カナダのヴァンクーバーアイランドで7年間、CPGAのゴルフインストラクターとして働いた経験があり、もう1人の息子は、現在、プロツアーのキャディとして日本、アジア、ヨーロッパのツアーにプロゴルファーと同行。

 

シャモニーでは1994年より個人旅行を専門とした日本人観光客向けの各種ツアーや宿泊予約などの手配をするフランス法人の旅行会社、アルプ・プランニング・ジャポンを経営し、12名が宿泊可能な宿泊施設、シャレージャポニヤールを所有。その他、テレビ番組制作の現地でのコーディネートを多数てがけ、オリンピック、パラリンピック、サッカーワールドカップのような大きな大会では、NHKのコーディネーターとして活躍。 お問合せは、アルププランニングジャポンへ。