丸山茂樹の長男・奨王日本男子ツアー挑戦 米大学ゴルフ名門UCLA卒業の愛称「ショーン」


丸山茂樹(写真左)と長男・奨王

丸山茂樹(写真左)と長男・奨王

 日米ツアー通算13勝の丸山茂樹(52)=セガサミーホールディングス=の長男・奨王(しょうおう、22)=米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)卒=が、来季からの日本男子ツアー参戦を目指し、出場権をかけた8月末以降の1次予選会(QT)に出場登録したことが5日、分かった。既に米国から帰国し、プロ転向を表明。長年、米国で腕を磨いてきた期待の新星は、国内を舞台に父譲りの多彩なショートゲームを武器に、プロでの挑戦をスタートする。

 偉大な父の背中を追い、日本でプロゴルファーになる道を選んだ。奨王は、4日に千葉県内で行われたツアー外競技の「今野康晴プレゼンツ・ワンデーチャレンジ」に69人のプロの一人として初出場。6バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの71で、1アンダーの48位で初の賞金を手にした。「試合は8か月ぶり。今日からプロですね。ここからなので頑張りたいです」と目を輝かせ、プロ転向したことを明かした。

 米国で生まれ、4歳でクラブを握った。父直伝の「アプローチとパターが得意」で、高校生だった16年6月、ウェスタン・ジュニア選手権で優勝。大学ゴルフの名門UCLAに進み、1年時にはメジャー2勝のコリン・モリカワ(25)=米国=らと同じ大会にも出場し、10戦で2度のトップ10入りと活躍した。

 だが、腰を痛めて半年間静養。20年6月には左手首を手術し、その後は回復に努めてきた。6月に大学を卒業後、帰国した。「日本のQTを受ける予定です。父からは『精いっぱい頑張ってやれることをやりなさい。ここからだよ』と言ってもらいました」。厳しい道に飛び込み、夢を追いかける強い決意を語った。

 米国の南カリフォルニア大出身で、米国内で練習をともにするなど親交の深い大西魁斗(23)=ZOZO=が昨年、日本ツアーに参戦。今年は9戦6度のトップ10入りで初の賞金シード入りを確実にするなど、飛躍中。奨王は「僕だけ置いていかれている感じです」と刺激を受けている。

 関東で練習を積みながら8月13、14日のツアー外競技の岩手県オープン(きたかみCC)に出場し、予選会に向けて調整する予定。プロとしての苦楽を知る父は「ゆっくり、慌てることなくね。大学3年間、ほとんどゴルフできなかったから。これからだと思います」と温かく見守る姿勢だ。若手の躍進が著しい国内ツアーへと、父子鷹を志す逸材が予選会からはい上がる。

 ◆丸山 奨王(まるやま・しょうおう)

 ▼生まれとサイズ 2000年6月2日、米カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。22歳。173センチ、63キロ。

 ▼ゴルフ歴 父の影響で4歳でクラブを握り、10歳で本格的に始める。キャンベルホールスクール高時代の17年9月の「ジュニアプレジデンツカップ」で世界選抜入り。17、18年のアジア・パシフィックアマチュア選手権に出場し19位、30位。アマチュアとして出場した日本ツアー18、19年の長嶋茂雄招待セガサミーカップはともに予選落ち。鋭いスイングで、ヘッドスピードが速く平均飛距離は290ヤード。

 ▼勉強 流ちょうな英語を操り、大学は経済学部を卒業。

 ▼名前の由来 母・瑞穂さんによると、父が好きな映画「007」シリーズなどで主役を演じた英国の名優ショーン・コネリー(故人)から名付けたという。両親は「SEAN(ショーン)」と呼んでいる。

 ▼家族 両親。

 ◆日本ゴルフ界の主な親子選手 親子で優勝したのは過去3例。〈1〉ツアー通算28勝の杉原輝雄(故人)の長男・敏一は91年関西オープンを制覇〈2〉90年代に通算6勝した川岸良兼の次女・史果が17年9月、マンシングウェアレディース東海クラシックでツアー初優勝〈3〉73年の男子ツアー制施行前では、52年日本プロなど3勝を挙げた井上清次と78年中部オープンなど2勝の幸一がいる。ほかに著名な親子プロは、通算48勝の中嶋常幸の長男・中島マサオが07年に下部ツアーで1勝。歴代最多94勝の尾崎将司と長男・智春らがいる。

最新のカテゴリー記事