「ゴルフ天才少女」須藤弥勒がトラブル乗り越えて世界ジュニア制覇へ エースドライバー破損も18万円の代替ドライバー届く


日本から届けられたドライバーを手にする須藤弥勒(提供写真)

日本から届けられたドライバーを手にする須藤弥勒(提供写真)

 世界ジュニア選手権(12日開幕、米カリフォルニア州サンディエゴ)で3年ぶりの3度目の優勝とジュニアメジャー6勝目を目指す須藤弥勒(ゴルフ5)は8日(日本時間9日)、アクシデントを乗り越えて万全の態勢を整えたことを明かした。すでに現地入りして練習に励んでいた先週、エースドライバーのヘッドが割れるというトラブルが発生したが、この日までに日本から代替のドライバーが到着。「ドライバーを届けてもらうために協力してくれた方々に感謝します。日の丸を1番高い所に掲げられるように一生懸命、頑張ります」と弥勒は笑顔で話した。

 「天才少女」と呼ばれる弥勒は2018、19年に世界ジュニア選手権(米カリフォルニア州)を連覇。20年にマレーシア世界選手権(マレーシア・ジョホバール)、21年にキッズ世界選手権(米ノースカロライナ州)を制した。今年6月にジュニア欧州選手権(英国スコットランド)で優勝し、ジュニアメジャー5勝目。同時に史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成した。

 ジュニア欧州選手権では2位に12打の大差をつけて圧勝するなど絶好調の弥勒にまさかのアクシデントが発生したのは、世界ジュニア選手権に向けて現地入りした後だった。

 練習中にエースドライバーがまさかの破損。ヘッドが割れたという。すぐに父・憲一さんが日本のメーカーやシャフトメーカーなどに連絡を取り、新しいドライバーを作製した。「いつも、外国遠征の際には破損、紛失、盗難のトラブルに備え、ドライバーとパターは2本ずつ持って行きますが、今回の世界ジュニアのコースに合うエースドライバーが壊れてしまいました。とても、困っていたところ、メーカーに急きょ代替のドライバーを送っていただき、本当に助かりました」と憲一さんは深く感謝した。

 身長145センチの弥勒は規定の46インチぎりぎりの45・75インチという長いシャフトの「超」長尺ドライバーを使いこなし、自身より20~30センチ大きな外国人選手と渡り合っている。関係者によると、弥勒のための特別仕様のドライバーはヘッド、シャフトの総額で18万円という。弥勒は新しいエースドライバーを手に最終調整に励んでいる。キャディーを務める母・みゆきさんは「新しいドライバーが届かなければ、20ヤード近く飛距離が落ちるスペアのドライバーで勝負するつもりでした。メーカーさんの尽力には心より感謝します」と安堵(あんど)の表情で話した。

 今年1月からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の実力と存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到した。

 その中で、ゴルフ専門店の「ゴルフ5」と所属契約、並びにマネジメント契約。家具などの企画・販売を行う大手の「ニトリ」、菓子・食品製造販売の「UHA味覚糖」、いしど式のそろばん教室を運営する「イシド」、自動車販売の「100%新車館」、飲料水製造販売の「サーフビバレッジ」、総合建設業を営むディーワイプランの住宅ブランド「ビスコッティハウス」、地元の群馬・太田市に本社を置くタイヤ・ホイール専門商社の「ニッタタイヤ」とスポンサー契約を結んでいる。さらにキャディーバッグに「Rakuten」、帽子に「SMBC日興証券」、福祉系の一般社団法人の「JUKAI」のロゴが入り、弥勒のスポンサーは計11社・団体に及ぶ。また、ワールド山内から約140万円の超高額パターのモニター貸与というサポートを受ける。

 「私はまだ10歳でアマチュアですけど、応援してくれる方々に対して責任感を持ってプレーします」。弥勒はプロのような雰囲気を漂わせながら世界ジュニアへの意気込みを明かした。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。10歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導で成長を続けている。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。現在、ドライバーの飛距離は220ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

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