世界ジュニア12日開幕 「ゴルフ天才少女」須藤弥勒は注目を力に戦う「注目されてナンボです」


注目を力に変えてゴルフ世界ジュニア選手権に挑むことを誓った須藤弥勒(提供写真)

注目を力に変えてゴルフ世界ジュニア選手権に挑むことを誓った須藤弥勒(提供写真)

 ゴルフのジュニアメジャー、世界ジュニア選手権は12日、米カリフォルニア州サンディエゴで開幕する。4年ぶり3度目の優勝とジュニアメジャー6勝目を目指す須藤弥勒(ゴルフ5)は11日、注目を力に変えて戦うことを誓った。弥勒は10歳のアマチュアながら11社・団体とスポンサー契約を結び、6月にはジュニア欧州選手権(英国スコットランド)を制して史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成するなどプレーでもプレー以外でも抜群の存在感を持つ。プレッシャーもかかる今大会に向けて「スポーツ選手は注目されてナンボの世界ですから幸せです」と前向きに話した。

 「あれがミロクか」。世界ジュニア選手権の会場で弥勒が練習ラウンドをすると世界各国のライバルはその一挙手一投足に注目した。

 「天才少女」と呼ばれる弥勒は2018、19年に世界ジュニア選手権(米カリフォルニア州)を連覇。20年にマレーシア世界選手権(マレーシア・ジョホバール)、21年にキッズ世界選手権(米ノースカロライナ州)を制した。今年6月にジュニア欧州選手権(英国スコットランド)で2位に12打の大差をつけて圧勝し、ジュニアメジャー5勝目。同時に史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成した。

 「女子9・10歳の部」には世界各国の予選会を勝ち抜いた69選手が出場する。その中でも弥勒の注目度は抜群だ。

 「注目されて光栄です。プレッシャーを感じることもありますけど、スポーツ選手は注目を集めてナンボの世界なので幸せです。また、私を通して、今まで以上にジュニアゴルフが話題になっていることも、すごくいいことだと思います」と弥勒は堂々と発言。11社・団体とスポンサー契約を結ぶ大物ぶりを発揮した。

 今年1月からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、圧倒的な実力と存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到した。

 その中で、ゴルフ専門店の「ゴルフ5」と所属契約、並びにマネジメント契約。家具などの企画・販売を行う大手の「ニトリ」、菓子・食品製造販売の「UHA味覚糖」、いしど式のそろばん教室を運営する「イシド」、自動車販売の「100%新車館」、飲料水製造販売の「サーフビバレッジ」、総合建設業を営むディーワイプランの住宅ブランド「ビスコッティハウス」、地元の群馬・太田市に本社を置くタイヤ・ホイール専門商社の「ニッタタイヤ」とスポンサー契約を結んでいる。さらにキャディーバッグに「Rakuten」、帽子に「SMBC日興証券」、福祉系の一般社団法人の「JUKAI」のロゴが入り、弥勒のスポンサーは計11社・団体に及ぶ。また、ワールド山内から約140万円の超高額パターのモニター貸与というサポートを受ける。

 父・憲一さんは「今回の世界ジュニアで弥勒の日本での立ち位置と世界で立ち位置が明白になるのでワクワクしています。10歳の娘にこれほどの注目とプレッシャーがかかってしまい、複雑な気持ちもありますが、弥勒はいつも通りにゴルフを楽しんでほしい」とエールを送った。キャディーとして共に戦う母・みゆきさんは「現時点でやれることはすべてやりました。弥勒が力を出せるようにサポートします」とにこやかに話した。

 「とにかく、楽しみです」。弥勒はタイガー・ウッズ(米国)らに続く世界ジュニア3勝目に向けて12日午前7時8分(日本時間午後11時8分)にティーオフする。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。10歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導で成長を続けている。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。現在、ドライバーの飛距離は220ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

最新のカテゴリー記事