渋野日向子、思わずこぼれた笑顔「自分が自分じゃないみたい。うれしい」メジャーで自己最少スコア65発進


◆米女子プロゴルフツアー ▽今季メジャー最終戦 AIG全英女子オープン 第1日(4日、英国・ミュアフィールド・リンクス=6659ヤード、パー71)

 2019年大会覇者の渋野日向子(23)=サントリー=が、メジャーで自己最少スコアの65をマークし、6アンダーの好発進を決めた。出だしの3連続を含む8バーディー、2ボギーで回り、男女を通じて日本人初のメジャー2勝目へ視界が開けた。苦手とした海沿いのリンクスコース特有の風と、開幕前に望んだ「友達」になり、ショットが安定した。前週のスコットランド・オープンで米ツアー初優勝の古江彩佳(22)=富士通=は4オーバーの75と出遅れた。

 「初心」に帰った渋野が3年前の快挙をほうふつさせる好発進だ。メジャーで自己最少スコアを1打更新する65。日本女子42年ぶり2人目のメジャー初制覇を成し遂げた19年大会(パー72)初日(66)と同じ6アンダーで滑り出し「こんなにいいゴルフができたのは久しぶり。自分が自分じゃないみたい。うれしい」と、思わず笑顔がこぼれた。

 全英らしい気温13度の雨の中、1番で約6メートルの上って下るバーディーパットを決めた。勢いに乗ると、3連続バーディーでいきなり首位に立った。中盤以降は雨がやんだが、海沿いのリンクス特有の強風が襲った。全英では林間コースの19年を制したが、リンクスでは20年予選落ち、21年34位と攻略できず、3度目の今回は「風と友達になる」と掲げた。16番パー3。前のホールと真逆の追い風が吹いたが、第1打で風を感じ、球を風に乗せて約1メートルにつけてバーディー。「風との闘いになると思っていた。ショットが良かった。怖がらずにしっかり振り切れていた」とうなずいた。

 19年大会は第3ラウンドで首位に立つと、メジャー初出場で初優勝し、世界を沸かせた。「子供だった」と苦笑するも、“怖いもの知らず”で攻めたことが奏功したと分析。今季は4月下旬以降、メジャー2戦を含む国内外6戦で予選落ちと、もがいていたが、「1番であれだけ強気に打てたのは久しぶり」。代名詞だった強気のプレーを取り戻し、好スコアにつなげた。

 超名門コース「ミュアフィールド」で、女子のメジャーが初開催された歴史的な大会ともなった。日本人初のメジャー2勝目にも大きな注目が集まる。「一日で6個の猶予をいただいた。それを減らさないよう、明日も頑張りたい」と力を込めた。日本中の期待を背に、渋野が再び快挙に突き進む。

 ◆渋野のメジャー大会での自己最少スコア ここまで66が自己ベストスコアで、3度マーク(いずれもパー72)。優勝した19年のAIG全英オープンの初日、4位に入った今年4月のシェブロン選手権の第2Rと最終Rだった。

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