日本生まれの「モデル系」中国人選手セキ・ユウティンが劇的大逆転で初優勝


拍手に応えるセキ・ユウティン(カメラ・今西  淳)

拍手に応えるセキ・ユウティン(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス 最終日(4日、千葉・ゴルフ5Cオークビレッヂ=6465ヤード、パー72)

 首位と4打差の10位からスタートした中国のセキ・ユウティン(ミツウロコグループホールディングス)が1イーグル、8バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの出入りの激しいゴルフで66で回り、通算12アンダーで並んだ前年覇者の吉田優利(エプソン)をプレーオフの末、下し、初優勝を飾った。

 セキは日本の福井県出身で中国育ち。モデルのような身長171センチの体格でダイナミックなゴルフが持ち味。13番パー5で残り191ヤードの第2打を4ユーティリティーで3メートルにつけて会心のイーグルを奪った。この時点で通算13アンダーとして2位以下に2打差をつけて抜け出したが、14番のパー3で3パットのボギー。さらに15番パー4では第1打を右に曲げてOBで痛恨のダブルボギー。2ホールで首位から転落したが、ここから驚異的な巻き返しを見せた。16番パー5、17番パー3で連続バーディーを奪い、通算12アンダーで再び首位に立ってホールアウトした。

 セキは最終組から4組前でプレー。同スコアで並んでいた最終組の吉田が最終18番できっちりをパーをセーブし、勝負の行方は「延長戦」に持ち込まれた。

 14、15番で崩れながらも16、17番で巻き返したセキはプレーオフでも勢いは止まらず、前年覇者の実力者の吉田に競り勝ち、日本ツアー参戦6年目で念願の初優勝を決めた。

 「日本のファンにはたくさん応援していただいて心から感謝しています。いい成績を取って、皆さんに恩返しがしたい」。

 日本ツアーに参戦した17年から思い続けていた夢が実現した。

 ◆セキ・ユウティン(石・昱婷)1998年3月5日、福井県生まれ。24歳。5歳まで日本で生活し、その後、中国・上海に移住。7歳からゴルフを始める。中国南山学校、上海体育学院出身。中国ナショナルチームにも選出された後、2014年プロ転向。16年に18歳で中国ツアー賞金女王に輝く。同年、日本女子ツアーの最終予選会を16位で突破し、出場資格を獲得。17年に日本ツアーデビューし、同年の賞金ランクは78位。19年に日本女子ツアーのプロテストに合格。同年、下部ツアーの日医工女子オープンで優勝。レギュラーツアーの最高成績は21年パナソニックオープンの3位。賞金ランクの最高は20―21年シーズンの68位で賞金シード権を獲得したことはない。家族は両親と妹。171センチ、63キロ。

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