９番ホール、奥山友梨はティーショットを放つ（カメラ・岩田 大補）
◆女子プロゴルフツアー ▽今季メジャー第２戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 第１日（８日、京都・城陽ＣＣ＝６５５５ヤード、パー７２）
昨年６月にプロテストに合格した新人の奥山友梨（ゆうり、２１）＝チェリーヒルズＧＣ＝が７バーディー、２ボギーの６７で首位と２打差４位の５アンダー。ツアー史上初のプロデビュー戦優勝へ好発進した。７月の予選会（関西地区）を１位通過し、出場権を獲得。全国で実績のない、２０００年度生まれ“ミレニアム世代の雑草”がビッグタイトルを狙う。菅沼菜々（２２）＝あいおいニッセイ同和損保＝が６５で首位。
プロとしてのツアーデビューがメジャーの大舞台。奥山は「意外と緊張しなかった」と平常心でスタートした。１番で３メートルの好機を沈めると、あれよあれよという間に４連続バーディー。「変な感じでドキドキした。４連続でフワフワして大丈夫かなって」。思わぬバーディーラッシュに一気に緊張が増した。
６、７番でボギーも「気にせず、まあいっか」と開き直ると、終盤の１６、１７番はショットを絡めて連続バーディーを奪った。フェアウェーが狭く、高低差のあるコースを攻略し、６７の２打差４位発進に「ほとんどピンしか見えなかった。私としてはロケットスタート」と初々しく話した。
通算５０勝の不動裕理ら多くのトッププロを輩出した熊本出身の２１歳。７月の関西地区予選を１位で突破し、大会切符をつかんだ。「出られるんだ、という感じでした」。所属先のチェリーヒルズＧＣ（兵庫）で行われた１９年大会は先輩プロのキャディーを務めたが、ガラッと景色が変わった。
古江彩佳、西村優菜、吉田優利らと同じ“ミレニアム世代”の一員だが、ジュニア時代も全国レベルでの実績がなく「私はステップアップツアーで戦っているので絡みがなく、すごいなあと思うだけ」と話す。高校卒業後にあえて練習環境のいい熊本を離れ、兵庫でプロを目指した。「実家では本当に何もしてこなかったので（生活面など）全部一人で。親のありがたみがよく分かった」と人間的にも成長した。
プロデビュー戦Ｖなら、２０年ＮＥＣ軽井沢７２を制した笹生優花の２戦目を抜き、ツアー最速記録だ。予選会突破からの優勝も大会初となる。「いい位置なので、トップ１０に入りたい。優勝？ まずは上を目指したい」。将来は海外にも目を向ける若手が“雑草魂”で道を切り開く。（岩原 正幸）