石川遼、3UTが調子の「判断の基準」9番第2打好ショットで流れを取り戻す


11番、ティーショットを放つ石川遼(カメラ・泉 貫太)

11番、ティーショットを放つ石川遼(カメラ・泉 貫太)

◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 第2日(16日、北海道・札幌GC輪厚C=7063ヤード、パー72)

 第2ラウンドが行われ、2打差8位から出た石川遼(カシオ)は、4バーディー、2ボギーの70と粘り、通算8アンダーで12位につけた。「すごい前半は苦しくて。でもそこから戻せたのはメンタル的にはすごく良かったと思います。今日のゴルフはショットの内容的には40~50点。明日に向けてショットは改善しないといけないことが多いかな」と淡々と振り返った。

 この日は午前7時55分のスタート。朝の練習場から多くのファンが見つめる前で、ウッド系のクラブ、アイアン、ウェッジと計測器を使いながら調整した。普段からこだわりはないそうだが、この日は締めで「3ユーティリティー(UT)」を数球打ち、うなずいてからスタートに向かった。「スイングのタイミングやプレーンがしっかり弾道に出てくれる。あのクラブでこの球が出ていれば、ある程度、(スイング時)いいところから入っているなとか、そういう判断の1つの基準になっている」とスイングを意識する中で“バロメーター”となっている、信頼を寄せる一本がこの日はキーとなった。

 前半は我慢の展開が続いた。2番パー4は第1打をドライバーでフェアウェーに運び「OK」と言葉が出たが、第2打はアイアンで右にこぼし、パー。5番はドライバーを右の林に入れて何とかパーを拾った。6番で第1打を右に曲げて先にボギーが来て、8番は約1メートルを外し、3パットのボギー。「ズルズルいきそうに」と良くない流れを断ち切れずにいた。

 そんな中迎えた9番パー5(541ヤード)。ドライバーで会心の当たりを見せ、フェアウェーど真ん中を捉えた。残り255ヤードの第2打は3ユーティリティーを振り切り、「ゴー!」。グリーンエッジ手前3ヤードの花道まで運び、アプローチで寄せて“お先に”バーディーで観客を沸かせた。ようやく流れをつかむと、後半は13番から3連続バーディー。15番はピン左奥約3メートルの好位置からパットを沈めた。

 「全体的にスイングは悪くない。やりたくない(左に曲げる)ミスをしなかったのは良かった。(ただ、右に曲げたショットは)当たりがうすかった。自分の中ではゴルフの内容的に予選も危ういと思っていたので、9番のセカンドが大きかった。ロングゲームのティーショットとセカンドは今までも、これからも一番力を注いでいきたい分野。いいセカンドを打てて、シンプルなアプローチを残せてバーディーを取れた。あそこは1つ流れを止めることができました」と大きくうなずいた。

 第3ラウンドが行われる17日が、31歳の誕生日。2015年大会は、初日に24歳の誕生日を迎え、バースデーウィークVを飾った。予選ラウンドを終えて首位とは8打差。7年ぶり大会Vには決勝ラウンド2日間で好プレーを続ける事が求められる。石川は「結果を出したいけど、そればかりを意識し過ぎるとスイングが崩れてしまう。スイングはまだまだなので、油断してはいけないし、改善をすればチャンスはあると思う。(残り2日は)楽しくやれるようにやるべきことに集中したい」と表情を引き締めた。

最新のカテゴリー記事