石川遼、PO惜敗「ただ脱帽」今季自己最高2位で収穫を手に秋の陣へ


ツアー2勝目を飾った大槻智春(右)は石川遼(左)と握手(カメラ・泉 貫太)

ツアー2勝目を飾った大槻智春(右)は石川遼(左)と握手(カメラ・泉 貫太)

◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 最終日(18日、北海道・札幌GC輪厚C=7063ヤード、パー72)

 最終ラウンドが行われ、石川遼(カシオ)が今季ツアー自己最高2位に入った。通算19アンダーの首位に並んだ大槻智春(真清創設)とのプレーオフ(PO)は1ホール目で敗れ、19年12月の日本シリーズJTカップ以来の優勝には一歩届かなかったが、課題のショットで「徐々にスイングとフィーリングがコネクトし始めている」と手応えを口にした。

 18番パー4でのPO1ホール目。石川は第1打を3ウッドでフェアウェーに運んだ。8アイアンでの第2打はピン奥約3メートルに着弾し、スピンで戻して手前4メートルへ。先にバーディーチャンスにつけた。だが、その直後に大槻が第2打を直接放り込むイーグル。これには石川も「あのクオリティーのショットを打たれた事にただただ脱帽です」と舌を巻いた。

 劇的な決着後、大槻が大歓声を浴びる中、石川はグリーンに上がった。そして“打つはずだった”バーディーパットのラインを確認した。「パッと見たんですけど、すっごくいいラインで(笑い)。上りの真っすぐ、3~4メートルぐらいかな…やっぱり打ちたかったな。でも打たせてもらえなかったっス」と本音もこぼれた。

 強い雨の中、最終日は過去自身最大の6打差逆転を狙って出た。1番から怒とうの3連続バーディーで波に乗ると、8番パー3(実測204ヤード)。向かい風の第1打をアイアンでピン右奥約3メートルへ。9番も取って2打差2位で折り返した。12番パー5で6つ目のバーディーを奪い、首位にいた池田勇太が落とした事で今大会初の首位に立った。13番、15番はいずれもピン左3~4メートルにつけてのバーディー。課題の「ショットの縦距離」をぴったり合わせて、内容の濃いバーディーを重ねた。

 悔やまれるのは終盤の2ホール。16番はこの日唯一の3パットでボギー。17番パー5の第2打は残り266ヤードから「林越え」を狙い、ライが良かったため攻めて行ったが、「想定よりも球が上がらなかった」と林に突き刺さった。チャンスホールで取りこぼしてのパー。「プレーオフで負けた要因より、プレーオフに行かず、勝てたチャンスはあった。技術や状況判断がちょっと追いつかなかった。反省点はあります」と振り返った。

 勝利には届かなかったが、65の猛追で、19年日本シリーズJTカップ以来、3年ぶりにPOを戦った。久々のPOでは緊迫した場で冷静なマネジメント、そして納得の2打を打てた。第3ラウンドでは課題のロングゲームを制し、2イーグルを奪った。2年前に先を見据えてスイング改造に着手して以来、ようやく優勝が視界に入る段階まで来た。「全体的に4日間を通しての内容とか、そこまで悪くない感じでやれている。次に弾みがつく1週間だった」と総括。メジャー2戦を残した秋の戦いへ「楽しみ」とも話し、3年ぶりVへの意欲をみなぎらせていた。

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