50歳の渡部光洋、ツアー最年長初V&最年長初賞金シード獲得へ9アンダー好位置「自分が一番ビックリ」


10番、ティーショットを放つ渡部光洋 (カメラ・馬場 秀則) 

10番、ティーショットを放つ渡部光洋 (カメラ・馬場 秀則) 

◆男子プロゴルフツアー パナソニックオープン 第2日(23日、兵庫・小野東洋GC=7113ヤード、パー72)

 2打差4位からスタートした、渡部光洋(小野東洋GC)が7バーディー、3ボギーの68で回り、通算9アンダーに伸ばした。前半組のホールアウト時点で暫定2差4位につけており、予選突破は確実。開催コース所属で、主催者推薦出場の50歳が決勝ラウンド(R)で、ツアー最年長初優勝&最年長初賞金シード獲得の快挙を狙う。

 渡部は前半でスコアを3つ、後半も13番でチップインバーディーを奪うなど1つ伸ばして終了。18番のボギー締めが痛かったが、「全部(パットが)入ることはない。いや、すごい。自分が一番、ビックリしている」と驚きの表情で、満足げに振り返った。

 当初は、この舞台に立つ予定はなかった。出場予定だった同コース所属の井戸木鴻樹の負傷により、代替出場が決まった。「小野東洋といえば、井戸木さん。僕で替わりになるんかな、ええんかなと思った」。全米プロシニア覇者でもある“先輩”を持ち上げつつ、謙虚な言葉で笑ったが、好プレーで存在感を示した。

 京都・京田辺市出身の渡部は、平安高(現龍谷大平安高)時代の14歳で競技を始め、近大を経て1995年にプロ転向した。翌1996年の日経カップゴルフトーナメント中村寅吉メモリアルで、自己最高の3位を記録。昨季までの27年でレギュラーツアー20戦に出場し、予選突破は5回。今年からはデビュー可能となったシニアツアーに専念し、今大会は2018年の関西オープン(60位)以来、約4年ぶりのレギュラーツアー参戦だったが、「最近、シニアで出ているので、ちょっとはマシでした」と表情を崩した。

 今大会で優勝を果たせば、記録が残る1985年以降では、1995年に46歳135日でツアー初優勝を飾ったS・ジン(豪州)の記録(1991年に48歳362日で初優勝したR・フロイドは招待選手のため、参考記録)を更新。そのジンと井上久雄が持つ、45歳の最年長初賞金シード獲得も塗り替えることとなる。好位置で決勝Rに入るが、本人は「そんな…。ボチボチやります。欲? 全然ない。厚かましいです」と豪快に笑った。

 それでも、初日を終えた後には井戸木から連絡を受け、「『頑張ってんな。もう、いっとけ』と言われた」とゲキを送られたことを告白。「大崩れせんと、そこそこで頑張りたい。どれくらい置いてかれるか、楽しみです」と、飄飄(ひょうひょう)と引き上げた。

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