山下美夢有、衝撃の12バーディー発進…朝の「練習場ではあまり良くなくて…」から立て直せたわけ


最小ストロークでラウンドしツアー新記録を達成し笑顔の山下美夢有(カメラ・小泉 洋樹)

最小ストロークでラウンドしツアー新記録を達成し笑顔の山下美夢有(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 第1日(23日、宮城・利府GC=6491ヤード、パー72)

 ツアー3勝の山下美夢有(みゆう、21)=加賀電子=が衝撃のバーディーラッシュで、パー72のコースのツアー最少ストローク記録を1打更新する「60」をマークした。断続的に雨が降る中でショット、パットがさえ渡って12バーディー、ボギーなし。12アンダーの単独首位で、今季3勝目&年間女王の座に向けて驚異的なロケットスタートを決めた。ツアー1勝の川岸史果(27)=加賀電子=が5打差の2位。

 今季ポイントランク1位の21歳が真価を発揮した。山下が12バーディーの猛攻で東北唯一のツアーを沸かせた。「楽しかった。ツアー記録とさっき知ったばかりでビックリ」と充実の表情。好調の理由を「今週からドライバー、3ウッド、5ウッドを新しいスリクソン(いずれもZXプロトタイプ)に替えてすごく安定した。フェアウェーから2打目を打つことができて、多くのチャンスにつけることができた」と明かした。特別協賛社の住友ゴム工業と用具契約するホステスプロは、満面の笑みで“仕事”を全うしてみせた。

 秋雨の降る中、集中力が研ぎ澄まされた。「(朝の)練習場ではあまり良くなくて…」とショットに不安を抱えてティーオフ。「リズムだけ意識してプレーしたらこのスコアになった」。フェアウェーを外したのは1ホールのみ。パーオンを逃したのも2ホールだけ。150センチと小柄ながら距離感抜群の再現性の高いスイングで、雨で軟らかくなったグリーンを攻めた。

 グリーン上も距離感が光った。8番で4メートルの下りのフックラインを沈めると、いい感覚をつかんだ。この日最少の22パット。「後半からラインが見えるというか、イメージできていたので打ったら入る感じでした」。最終18番で新記録となる60打目の6メートルのバーディーパットを沈めると、拍手を浴びながら右拳を揺らした。「自分のベストスコア(64)を更新した、というガッツポーズでした」とほほ笑んだ。同組で68で回った菅沼菜々(22)が「スコア悪くないのに12も出すから、オーバーパーを打っているような感じ」と悲鳴を上げたという。

 今季は今大会を含めて残り10戦。現在、11戦連続トップ10入り中の山下は獲得賞金&ポイントランク1位だ。「まだ2日ある。一日一日やるべきことをして頑張ろう」。新たな勲章とともに通算4勝目もつかみ、今季の主役の座へと突き進む。(榎本 友一)

 ◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。21歳。5歳から父・勝臣さんの影響でゴルフを始める。大阪桐蔭高3年時の2019年に全国高校ゴルフ選手権で優勝。同年11月のプロテストに合格し、昨年4月のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。今年5月のワールドレディスサロンパスカップでメジャー初優勝。ツアー通算3勝。今季獲得賞金は1億4891万8666円でツアー1位。150センチ、52キロ。家族は両親と弟、妹。

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