金田久美子、11年189日ぶり史上最長ブランクVに王手 ノーボギー67「本当に良いゴルフができた」


18番で第2打を放つ金田久美子。通算9アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

18番で第2打を放つ金田久美子。通算9アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 第2日(29日、埼玉・武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)

 4位から出た“元祖ギャルファー”金田久美子(33)=スタンレー電気=が、5バーディー、ボギーなしでこの日ベスト67で、通算9アンダーの単独首位に浮上した。2011年以来となる、ツアー最長(88年以降)の11年189日ぶりとなるブランク優勝へ王手をかけた。3打差2位に川崎春花(19)=村田製作所=。渋野日向子(23)=サントリー=は1オーバー28位に順位を上げた。

 6602人と連日の大観衆が訪れたコースで、ベテランの域に達した“ギャルファー”が躍動した。全体のスコアが伸び悩む中、最少の67。首位に浮上し「本当に良いゴルフができた。この難しいコースでノーボギーで回れてうれしい」と声を弾ませた。

 2番でチップインを決めると、11、12番は得意のパットでともに10メートルを沈め連続バーディー。大会前はショットが不調で、今週は試合前のルーチンを変えた。25、26日と岐阜のコースで「爪先上がりのショット」を練習し、これまでで初めて試合前日に会場入り。「気持ち悪いのがなくなり、うまく打てた」と復調にうなずいた。28日は大好きなサウナで一汗かき、リフレッシュした。

 21歳の11年前にツアー初優勝。当時のキャディー・橋本道七三(みちひさ)さんが今月、食道がんのため57歳で亡くなった。「もう一度担いでもらいたかった。とにかく前向きな人で『大丈夫だよ』ってずっと言ってくれた」としのんだ。最終日へ「勝ちたいけど、自分を信じて落ち着いてやりたい」。88年以降でツアー最長となる11年189日ぶりブランクVを天国へささげる。(岩原 正幸)

 ◆ブランク優勝 金田が優勝すると、11年フジサンケイクラシック以来、11年189日ぶり。1988年のツアー制施行後では、中嶋千尋(88年―98年)のブランク日数、9年297日を抜いて最長記録となる。ツアー制施行前では、池渕富子(85年―97年)の11年210日が最長(※招待選手除く)。

 ◆金田 久美子(かねだ・くみこ)1989年8月14日、名古屋市生まれ。33歳。父・弘吉さんの教えで3歳からゴルフを始める。98年、8歳で世界ジュニア優勝。高校卒業後の08年、予選会をトップ通過でプロ転向。11年にツアー1勝。今季はポイントランクでシード圏外の70位。166センチ、51キロ。愛称「キンクミ」。

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