◆女子プロゴルフ ステップアップツアー 山口周南レディースカップ 最終日(12日、山口・周南CC=6542ヤード、パー72)
女子下部ツアーの今季第16戦目の新規大会は、国内女子歴代最多8ホールのプレーオフと歴史的な大熱戦となった。首位タイで出た新海美優(城島高原GC)が2バーディー、2ボギーの72で回り、通算2アンダー。ツアー1勝の藤田光里(AKRacing)とのプレーオフをレギュラー、ステップアップ合わせて国内女子ツアー最多記録更新となる、8ホール目で制して初代女王に就いた。
グリーンが小さく、硬い難しいセッティング。プロ9年目の26歳は3日間、通算アンダーパーが5人しかいない中、小技で耐えながら我慢合戦を勝ち抜いた。16番で同じ最終日最終組で通算2勝目を目指していた藤田と首位に並ぶと、約2時間に及ぶ歴史的な死闘の幕が上がった。
難易度の高い401ヤードの最終18番パー4でのプレーオフに突入。1300人を超えるギャラリーが見守る中、7ホール連続でお互いに執念のパーセーブ。カップ位置が4度も切り直され、国内女子ツアー最多記録を1ホール更新する8ホール目で新海が勝負を決めた。日没が迫りくる中、ドライバーで快音を残して右フェアウェーへ。アイアンでの第2打はグリーン手前。3打目のアプローチをピン左1Mに寄せてパーセーブ。藤田が1Mの下りのパーパットを外して決着となった。
新海は優勝賞金360万円を手にし、次週の最終戦出場権も手にした。さらに、29日から12月2日の最終予選会(岡山・JFE瀬戸内海GC)への出場切符を手に入れた。中継時間を延長して放送した、中継局のスカイAの優勝インタビューに新海は「ここまで残って下さった皆さんに、ありがとうございました。声援が力になっていました」と笑顔で感謝した。藤田と2人はカートに乗る際などはにこやかに談笑するなど、和やかな大激闘劇だった。
ちなみに、国内男子ツアーのプレーオフ最多ホール数は1976年のペプシウイルソン(宇部CC万年池C)の14ホールとなっている。4人プレーオフの末、最後はピーター・トムソン(オーストラリア)がグラハム・マーシュ(オーストラリア)に競り勝った。