比嘉一貴の賞金王が決定 正確なショット武器に歴代最小兵158センチで戴冠 沖縄出身で2人目


賞金王決定!!のボードを掲げる比嘉一貴(カメラ・谷口 健二)

賞金王決定!!のボードを掲げる比嘉一貴(カメラ・谷口 健二)

◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 最終日(27日、高知・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72)

 比嘉一貴(フリー)が今季4勝を挙げ、身長158センチの歴代最小兵賞金王が誕生した。

 この日は71で回り、通算12アンダーでホールアウト。賞金ランク2位で逆転の可能性を残していた星野陸也(興和)が優勝を逃したため、タイトル争いが決着した。最終戦を残しての決定は、15年の金庚泰(韓国)以来、6季ぶり(20―21年は統合)となる。

 比嘉は前週のダンロップフェニックスで優勝した際、10歳でゴルフを始めた当時を振り返り、「プロのトーナメントを見て、賞金王というものを知り、片山晋呉さんが取っていた頃は(賞金王は)夢だった。プロになって、それが目標になり、あと一歩でかなえられる」と真剣な表情で語っていた。

 アイアンショットの正確性が生命線だ。「(第2打で長い距離を残し最初に打つ)セカンドオーナーが多い中、優勝争いの時、グリーンを外しては相手を楽にさせてしまう。アイアンショットは大事にしている」と自信を持つ。昨年より「だいぶミスが減った。フェードとドローをうまく打てるようになり、コントロールが上達した」と成績が安定した要因を分析していた。昨季67・63%(全体26位)だったパーオン率も、今季70・77%(6位、前週まで)と数字にも表れた。

 王手をかけて迎えた今週、「今までは(11月下旬の)ここまでで体力が尽きていた。今年は体の問題もなく、調子を維持できている」と平常心で語った。第3日後は「(17年賞金王)宮里優作さんに続いて、沖縄県勢で2人目という部分ではジュニアの頃から目標にしていた。(期待に)応えたい気持ち」と決意を込めた。

 6月の国内メジャー、BMW ツアー選手権森ビル杯で早くも今季ツアー2勝目。そこから一度も賞金ランク首位を譲らず、駆け抜けた。秋の米下部ツアーの来季出場権を懸けた予選会のエントリーを取りやめ、一点集中で挑んだ。次週は、日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催、優勝賞金4000万円)で、ツアー史上6例目となる年間獲得賞金額2億円超えを目指す。

 ◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日、沖縄・うるま市生まれ。27歳。10歳からゴルフを始め、沖縄・本部高では宮里藍さんの父・優さんに師事。東北福祉大では2015年ユニバーシアード団体&個人金メダル。16年日本オープンでベストアマ。18年は賞金ランク60位で初シードを獲得。19年は同14位で、昨季は同13位。趣味はサウナ。158センチ、70キロ。

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