
1番、ティーショットを放つ比嘉一貴(カメラ・谷口 健二)
◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 最終日(27日、高知・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72)
ツアーメンバーで最も小さい身長158センチの比嘉一貴(27)=フリー=が、初の賞金王に輝いた。
* * *
沖縄から駆けつけた比嘉の父・洋さん(60)は会場で見守り「記念すべき日になった。1年間よく戦ってくれた」と息子の活躍をねぎらった。比嘉が10歳の頃、たまたま県内の米軍のゴルフ場に連れていき、ドライバーとパターの2本だけでプレーしてスコアは「98」だった。
その日の晩、当時ハンドボールをやっていた比嘉は「お父さん、ゴルフやりたい」と宣言した。「とにかく打つのが好きだった」と父。最低でも1日500球、休日は朝7時から3000~3800球打ち、ひと夏超えるとシングルプレーヤーになった。中学で2~3週間、米テキサス州在住のおばの元を訪れ、ラウンドに夢中になったこともあった。
沖縄にいた中学時代、けがで整形外科の診断を受けた際、医師に「(体の)成長が止まった」と言われショックを受けた。そこから筋トレに励むなど、たゆまぬ努力で国内トップの座をつかんだ。(岩原 正幸)