石川遼、大会V3へ「気持ちは十分すぎるほどある」男子ゴルフ今季最終戦


18番、紅葉に彩られたティーイングエリアでポーズをする石川遼(カメラ・小泉 洋樹)

18番、紅葉に彩られたティーイングエリアでポーズをする石川遼(カメラ・小泉 洋樹)

◆報知新聞社主催 国内男子プロゴルフツアー 今季最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ プロアマ日(30日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 2015、2019年の大会覇者で、2年ぶり13回目出場の石川遼(カシオ)が30日、プロアマ戦後に会見を行い、大会3度目の優勝へ「気持ちはもう、十分すぎるほど、優勝争いへ向けてあります」と瞳をギラつかせた。

 プロアマのラウンドでは、同組メンバーに身ぶり手ぶりで積極的にコーチング。笑顔で会話を交わすなど、状態面の良さがうかがえた。石川は「昨日、雨が降ってフェアウェーの柔らかい部分はあまり転がらなくて、コースがちょっと長く感じました。(週中に)寒くなると難しくなるイメージがあるので、しっかりとマネジメントをしたいです」と2年ぶりに帰ってきたコースの印象を明かした。さらに、「3年前とは、アドレスした時にイメージする弾道だったり、計算できるリスクも変わって見える。そういうのも楽しみだし、今の自分のベストを出せるようにしたいです」。2勝目を挙げた2019年からの変化や成長に、自らも期待した。

 2020年春から取り組んできたスイング改造については、独特な言い回しで現在地を説明。「だいぶ固まりつつありますが、まだまだ、できたてという感じです。試行錯誤をしている。料理で言うと、何回も作って食べているけど、もっとおいしいものができるよね、と繰り返してきた。今やっと、これでいこうと(いうものができた)。じゃあ、お店に出せるか。100人に出す時には、まだ味のばらつきがある。高い精度で出せるかというと、まだなので」と道半ばのようだ。加えて、「今年はアプローチやグリーン周りの部分をたくさん練習できたわけじゃない。全ての面で完成度を上げていく余地は、まだまだあります」とさらなる高みを見据えた。

 今大会は過去12回で2勝、5位以内も3回あり、トップ10は計9回と好相性だ。3年ぶりとなる大会3勝目へ「優勝争いを狙ってするのは難しいことだけど、それをできた時の自身はすごいものになると思います。優勝争いをしたいのは正直、あります。そこに対してのマネジメントを運とか勢いではなく、自分のプラン通りの中でやれるかが試される。しっかり、準備をするしかない。状態は悪くないので、ゲームに入った時に、どうプレーをしていくかが大事。結果に対して、考えすぎないのも大事だと思います。いかに自分自身をコントロールしていくか。やるべきことに集中していくだけ」と勝利を求めるからこそ、冷静に、自然体で臨むことを強調した。

 今季最終戦で、わずか30人しか出場できない暮れの大一番。石川は「お祭りという感じは正直、ないです」と表情を引き締めた。「むしろ、緊張感が結構ある試合。コースが非常に、アバウトな感じを求めない。特にグリーン上は繊細なタッチを求められる。最終戦にふさわしいコースセッティングで、ギャラリーもたくさん入ります。本当に緊張感があると思っています」と改めて、重さをかみしめた。ファンに向けて、「見に来た人に、見に来て良かったなと思ってもらえる選手でいたい。そういう自分になりたいとは思っています。現時点で、それがどのくらい(できる)かは分かりませんが、今もっているベストを尽くして、いいものを出せるように頑張りたいです」と全力プレーを誓った。

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