自称「ネーチャー系カメラマン」阿部未悠、ミレニアム世代4人目Vへ4差4位浮上「シマエナガを撮りたい」


17番で第2打を打ち終えてグリーンに向かう阿部未悠(カメラ・今西 淳)

17番で第2打を打ち終えてグリーンに向かう阿部未悠(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦▽ダイキンオーキッドレディス 第3日(4日、沖縄・琉球GC=6590ヤード、パー72)

 17位から出た阿部未悠(22)=ミネベアミツミ=が5バーディー、1ボギーの68をマークし、通算5アンダーで首位に4打差の4位に浮上した。野生動物の写真撮影がライフワークという自称「ネーチャー系カメラマン」が、2000年生まれのミレニアム世代4人目となる優勝へ逆転を狙う。同世代の上野菜々子(22)=コーナン=は67で回り、11位から2打差2位に浮上し最終日を迎える。韓国の申ジエ(34)が65で回り、9アンダーで単独首位に躍り出た。

 狙った獲物は逃さない。V戦線へバーディーで締めたい最終18番パー5。阿部は5メートルのパットをねじ込んだ。「最後だけ想定外というか、第3打でミスをして右手前のバンカーに入れちゃったけど、長いパットが入ってくれた」。4つのパー5全てで、スコアを伸ばす堅実なプレーで順位を上げた。

 趣味は野生動物の撮影で「雪の妖精」と言われる、もふもふの鳥「シマエナガ」を追う。「ムクムクのシマエナガを撮りたい。ずっと探している」と言い、インスタグラムには自慢の写真がずらりと並んでいる。

 北海道・恵庭市出身でオフに実家に帰ると、野生動物を探しに森の中へと繰り出す。雪道を3時間歩くこともあり、昨年の大みそかには気温氷点下10度の中、フクロウを狙った。オジロワシ、エゾシカを撮ったこともある。ファインダーに収めようと狙い続ける「雪の妖精」は日本最小級の小鳥。まだ巡り合えていないが「最後まで諦めない気持ちは培えた」と阿部。感度、絞り、シャッタースピード。カメラの細かい設定は、ゴルフのクラブ調整にも生きているという。

 ルーキーイヤーの昨季は富士通レディースの4位を含むトップ10が5回だった。ショットの球筋をフェードに変えて臨んだ開幕戦は予選落ちだったが、1シーズンを戦い、ものになってきた。冬の充実した練習環境を求め、中学進学のタイミングで福岡にゴルフ留学を決断。中高時代を福岡で過ごした異色のミレニアム世代。「自分のしたいゴルフができている。明日も自分のゴルフを貫けるように。開幕戦を楽しみたい」。古江彩佳、西村優菜、吉田優利に次ぐ4人目の世代Vを懸けて、最終日を戦う。(高木 恵)

 ◆シマエナガ スズメ目エナガ科の鳥。つぶらな瞳と、もふもふした綿のような体を持つことから「雪の妖精」とも言われる。冬の北海道で見ることができる。体長は10センチ超と小さく、甲高い鳴き声が特徴。主食は樹液、木の実、昆虫など。

 ◆阿部 未悠(あべ・みゆう)2000年9月27日、北海道・恵庭市生まれ。22歳。父の影響で10歳から競技を始め、中高時代を福岡で過ごす。九州中学選手権優勝、通信制の第一学院高を卒業。20年度プロテスト(21年6月実施)に2度目の挑戦で合格。ツアー本格参戦1年目の昨季、メルセデス・ランク44位でシード獲得。得意クラブはドライバー、パター。155センチ。

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