穴井詩3年8か月ぶりV メジャー制覇へ賞金1億円超えへ複数回優勝へ「欲望しかないですね」


プレーオフを制し約4年ぶりの4勝目を挙げた穴井詩は、副賞の水上オートバイに乗ってガッツポーズ(カメラ・今西 淳)

プレーオフを制し約4年ぶりの4勝目を挙げた穴井詩は、副賞の水上オートバイに乗ってガッツポーズ(カメラ・今西 淳)

◆日本女子プロゴルフツアー ヤマハレディース葛城最終日(2日、静岡・葛城GC山名C=6480ヤード、パー72)

 ツアー屈指の飛ばし屋・穴井詩(らら、35)=ゴルフ5=が、3年8か月ぶりの栄冠をつかんだ。首位と3打差5位で出て正確なショットを軸に4バーディー、2ボギーの70。通算9アンダーで並んだささきしょうこ(26)=日本触媒=とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、2019年8月以来となる通算4勝目。今後は自身初の年間複数回V&国内メジャー制覇などを目指す。

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 一時首位に5人が並んだ大混戦で、百戦錬磨の穴井が進化を見せつけた。18番で繰り返されたPO2ホール目。優勝を決める1・5メートルのバーディーパットを沈めると、右拳を2度力強く揺らした。白い優勝ブレザーに身を包み「まだまだうまくなりたい。(いずれも自身初の)複数回優勝したいし、1億円も超えたい。メジャーも勝ちたい、欲望しかないですね」と笑った。

 昨季平均飛距離はツアー1位の257・49ヤードも、フェアウェーキープ率は55・59%で90位。安定感に欠き36戦で13度の予選落ちでトップ10入り3度。ポイントランクは48位でシードは守ったが「ティーショットのコントロールに苦しんだ。飛距離にこだわりはない。今年は方向性重視」と1月から石井雄二コーチに師事。「猫背になると、テイクバックがスムーズに上がらなくなってしまう」とショットの構えから修正した。

 今大会はフェアウェーキープ率89・29%で4位、パーオン率も76・39%で3位だった。硬く速いグリーンで、起伏の激しい難コースを安定したショットで攻略。「耐え忍んだ。難しい葛城GCで勝てたのは今後への自信になった」と穴井。今季開幕5戦で30代3人目のVとベテランの花が咲き誇る。(榎本 友一)

 ◆穴井 詩(あない・らら)1987年11月11日、愛知・岡崎市生まれ。35歳。11歳でゴルフを始める。昨季の平均飛距離257・49ヤードはツアー1位。2012年に46位で初の賞金シード入り後、16年ゴルフ5レディスで初優勝など通算4勝し、11季連続でシードを獲得中。井上陽水の曲をギターで弾く趣味を持つ父が「音楽好きになってほしい」と願い命名した。家族は両親、兄、姉。165センチ、58キロ。

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