◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 マスターズ 第2日(7日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7545ヤード、パー72)
【オーガスタ(米ジョージア州)7日=岩原正幸】第2ラウンドは雷雲接近による2度の中断を経て、順延となった。17番ホールのティーグラウンド左では、強風により3本の松の巨木が折れて倒れる珍しいアクシデントが起きた。大会はけが人はなかったと発表したが、付近をプレーしていた選手も含め、場内は騒然となった。松山英樹(LEXUS)は8番を終えて3アンダーの暫定18位。ブルックス・ケプカ(米国)が67で回り12アンダーの同首位。
“ゴルフの祭典”マスターズで前代未聞のアクシデントが発生した。雷雲接近による2度目の中断に入る直前の午後4時20分(日本時間8日午前5時20分)すぎのこと。17番ティーの周囲に少なくとも100人以上の観客(パトロン)がいた中、倒木が起きた。ティーグラウンド左にある、高さ数十メートルはあろうかという巨大な3本の松の木が根元から崩れ、倒れた。
映像では、巨木の落下地点から観客が間一髪で逃れる様子も見られた。隣の16番では87年大会覇者で地元オーガスタ出身のラリー・マイズ(米国)らの組がプレー。目前で起きたまさかの事態にキャディーを含め、グリーン上でぼう然とする姿が確認された。また、一組後ろの比嘉一貴(フリー)と同じ組でプレーするセルヒオ・ガルシア(スペイン)も15番で言葉を失っていた。
米国のテレビ中継では木が倒れる瞬間に、実況が「watch out」(気をつけろ)と叫ぶ様子が放送された。その場に居合わせた大会関係者は「みんなが(悲鳴で)ワーワーとなり、バキバキって音がして(木が)ゆっくり倒れた」と発生時の状況を証言した。
大会側は「強風による17番での3本の木の倒木で、けが人は発生していない。オーガスタ・ナショナルGCは大会に参加する皆さまの安全、幸福が最優先事項です」と声明を発表した。仮に1時間ほどずれていれば、「スーパースター」のタイガー・ウッズ(米国)がプレーしており、大惨事になっていた可能性もある。倒木後すぐにコースの復旧作業を進めているとみられる。第2Rの残りは8日午前8時(日本時間同日午後9時)に再開となっている。
〇…1アンダー26位から出た松山は9番のグリーン上までプレーし、サスペンデッドを迎えた。この日はともにパー5の2番、8番で2バーディーを奪い、通算3アンダーとし、首位と9打差の暫定18位となった。2番でグリーンの右バンカーからの第3打を2・5メートルに運び、初バーディー。8番でも4メートルを沈めて伸ばした。2年ぶりの大会制覇に向け、第3日(8日)は冷え込む予報の中、1・5ラウンドを超える長丁場となりそうだ。