「ゴルフ天才少女」須藤弥勒がプロパッティングツアー惜敗を糧に宣言「世界一諦めの悪い選手になる」


プロパッティングツアーでバーディーを決めてガッツポーズの須藤弥勒(提供写真)

プロパッティングツアーでバーディーを決めてガッツポーズの須藤弥勒(提供写真)

 史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)は17日、プロパッティングツアー第5~8戦(15~16日、茨城・金砂郷CC)で念願の初優勝をあと一歩で逃す惜敗が続いたことを受け「世界一諦めの悪い選手になる」と、新たなテーマを自らに課した。

 パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約2メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36の予選ラウンドを行う。予選ラウンドの成績を持ち越して、上位6人(首位と2打差以内)が3ホールの決勝ラウンドで最終順位を決める。弥勒は、15~16日に2日連続ダブルヘッダーの計4連戦で2位、3位、7位、2位と安定した成績を残した。しかし、全く満足していない。「パットは入る日と入らない日があるといいますが、パッティングツアーのパット名人は常に上位の成績を残し、しかも、何回も優勝をしています。私も早く優勝がしたい」。4連戦を終えた翌日、弥勒は言葉に力を込めて話した。

 惜敗が続いた4戦の中で、特に悔しかったゲームが第8戦だったという。予選ラウンドで弥勒と同スコアで首位と2打差だった小倉仁志が3ホールの決勝ラウンドで大逆転に成功して優勝した。「残り3ホールで2打差を逆転することは無理かな、と心のどこかで諦めてしまいました。ものすごく反省しました」と弥勒は率直に振り返った。

 弥勒は3月にジュニアゴルフ界からの「引退」を表明。「今後、年齢制限があるジュニアの試合には国内、海外を問わず出場しません。(アマチュアの)ナショナルチームや日本女子アマも目指しません。プロツアーの試合のデビュー戦に向けた準備に専念します」と宣言した。今回のプロパッティングツアー4連戦は「ジュニアゴルフ界引退」を表明した後、初の実戦だった。父・憲一さんは「勝負は何が起こるか、分からない。最後まで絶対に諦めてはいけないということを実感した、と思います。弥勒も私も今までのどんなジュニアの試合よりも勉強になりました」と話した。

 弥勒は今回の惜敗を受けて、新たなテーマを設定。それが「世界一の選手になるために、世界一諦めの悪い選手になる」だった。「これからはどんな状況でも絶対に諦めません」ときっぱり話した。須藤弥勒の破天荒な挑戦は続く。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入りした。現在、ドライバーの飛距離は約210ヤード。昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、弥勒は所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

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