岩田寛が逆転で「中日クラウンズ」2年ぶり2勝目 史上2人目40代初賞金王も視界に


優勝トロフィーを手に笑顔を見せる岩田寛(カメラ・馬場 秀則)

優勝トロフィーを手に笑顔を見せる岩田寛(カメラ・馬場 秀則)

◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 最終日(30日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)

 2位で出た岩田寛(42)=フリー=が6バーディー、1ボギーでこの日のベストスコア65で回り、通算15アンダーで逆転優勝。昨年8月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ以来となる通算5勝目を飾った。2年ぶりの大会2勝目は、1973年のツアー制施行後では青木功、尾崎将司、片山晋呉に次ぐ日本人4人目の複数回Vで賞金ランクトップにも浮上した。通算18勝の石川遼(31)=カシオ=も65をマークし、10アンダーの4位となった。

 クールな男らしく静かに喜びをかみ締めた。最終18番。50センチのボギーパットを沈めると、岩田は観客席に向かって無表情のまま両手でガッツポーズを作った。「しなきゃなと(思った)」。ラウンド中の気持ちは常にフラット。「感情を出すな」という父・光男さんの幼少時からの教えを貫いた。

 1差2位で出て、出だしの2連続バーディーで単独首位に抜け出した。4番で蝉川に1差に迫られても冷静だった。5番で5メートル、8番は第2打を30センチにつける“お先”のバーディーで突き放した。13番で「絶対に入れなきゃ」と誓った2メートルのパーパットを沈め、優勝を確信。オフは中東で3戦に出場も調子を崩し、「開幕してこんなに早く優勝できるとは」と率直に語った。

 この日最少タイの65。第63回と日本屈指の伝統を誇る大会で青木、尾崎将、片山に次ぐ日本人4人目の大会複数回Vを飾った。水色のジャケットに2年ぶりに袖を通し「光栄ですけど(永久シードの3人が)偉大すぎて、まだまだ」と謙そん。40代で既に3勝。「ジャンボさん、藤田(寛之)さん、谷原(秀人)さんのように40代で勝てるように」。今季賞金を約3420万円とし、ランク首位に浮上した。12年の藤田の43歳に次ぐ、ツアー史上2人目の40代での賞金王初戴冠の快挙も見えてきた。(岩原 正幸)

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