米沢蓮、苦手のパットが絶好調で8バーディー「独学ゴルファー」初の首位発進も「まだ始まったばかり」


2番でティーショット放つ米沢蓮

2番でティーショット放つ米沢蓮

◆男子プロゴルフツアー メジャー初戦 BMWツアー選手権森ビル杯 第1日(1日、茨城・宍戸ヒルズCC西C=7430ヤード、パー71)

 ツアー本格参戦2年目の米沢蓮(23)=ティ.エム.プラテック=が、メジャーの難コースを攻略して、自身初の首位発進を決めた。8バーディー、1ボギーの64で回り、7アンダー。苦手なパッティングが好調で自己最少の23パットを記録し、大舞台でのツアー初優勝に向けて最高のスタートを切った。東北福祉大の1年先輩、金谷拓実(25)=Yogibo=が首位に並んだ。

 次々と5メートル前後のパットがカップへと消えた。米沢は2番パー5で最初のバーディーを奪い勢いに乗ると、5番から3連続バーディー。後半に入っても好調をキープし、16番パー3ではグリーン左ラフからチップインまで決めるなど、プロ転向後1ラウンドで自己最多の8バーディーを量産した。「パッティングは下手くそ」と自虐的だが、メジャーの高速グリーンを攻略し、23パットとさえた。自身初の首位に立ち、「期待していた以上のプレー」と破顔した。

 恩師に背中を押された。アマチュア時代に指導を受けた日本ゴルフ協会ナショナルチームのガレス・ジョーンズ・ヘッドコーチが来日中。大会前にラインの読み方でヒントをもらい、「苦しい時に頼れる人がいることが、何よりも心強い」と、好発進につながった。強豪の東北福祉大では金谷の1年後輩だが、パットが足を引っ張り、ツアーでの最高が32位と苦しむ中、少し光が見えてきた。

 テレビ中継を見てゴルフを始め、ほぼ独学で腕を上げた。盛岡中央高時代にはトヨタジュニアW杯、東北福祉大時代はアジア・パシフィックアマチュア選手権など世界大会も経験した。アマ時代にもメジャー5戦を含めてプロツアーにも参戦。19年の三井住友VISA太平洋マスターズで米沢のキャディーを担当したのが大学の1年後輩、蝉川泰果だった。その蝉川はアマ時代も含めツアー3勝で、今季は現在賞金ランク1位。後輩の活躍に焦りもあるが、「自分に『まだ始まったばかり』と言い聞かせている」と一歩一歩進んでいる。

 自己評価は低く「周りが思ってるほど、自分に期待をしていない」としつつも、プロ2シーズン目で「昨年より成長しているんじゃないかな」と自信も芽生えてきた。第2ラウンドは午後スタートで荒天が予想されるだけに、初日の貯金を生かして踏ん張り、メジャーの舞台で悲願の初優勝を狙う。(富張 萌黄)

 ◆主な東北福祉大出身のゴルファー 今大会では米沢蓮と通算3勝の金谷拓実が首位。同3勝の蝉川泰果はこの春、卒業した。在学中ではアマの岡田晃平(4年)が8位発進。同大学出身の筆頭は、21年マスターズを含む日米通算16勝の松山英樹。近年の賞金王では池田勇太(16年、通算21勝)、宮里優作(17年、同7勝)、比嘉一貴(22年、同6勝)がいる。ツアー17勝の谷原秀人、5勝の岩田寛も健在。

 ◆米沢 蓮(よねざわ・れん)1999年7月23日、岩手県生まれ。23歳。9歳でゴルフを始め、盛岡中央高を経て東北福祉大へ。2018年アジア大会団体戦で金メダル。19年にアマ日本代表入りし、ネイバーズトロフィーチーム選手権個人3位&団体優勝。19年日本アマ3位。21年日本オープンでローアマチュア獲得。同年プロに転向。174センチ。

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