平田憲聖、“雨イジング”な63人中唯一ノーボギー 日本人男子初のツアー初優勝から2週連続Vへ暫定5位浮上


通算4アンダーで暫定5位の平田憲聖

通算4アンダーで暫定5位の平田憲聖

◆男子プロゴルフツアー メジャー初戦 BMWツアー選手権森ビル杯 第2日(2日、茨城・宍戸ヒルズCC西C=7430ヤード、パー71)

 第2ラウンド(R)は降雨によるコース状態不良でサスペンデッドとなり、60人が終えられなかった。39位から出た平田憲聖(けんせい、22)=エレコム=が4バーディー、ボギーなしの67で回り、通算4アンダーとして首位と3打差の暫定5位に浮上した。詳細な記録の残る1985年以降、日本選手初となるツアー初優勝からの2週連続Vの快挙へ前進した。6ホールを終えた米沢蓮(23)=ティ.エム.プラテック=が、7アンダーで暫定首位に立っている。

 雨男を自認する平田が、難度の上がったメジャー舞台で躍動した。2、3番で連続バーディーを奪い、好発進。12番では10メートルのパーパットを沈め「13番のバーディーにつながった。グリーンの読みがマッチした」。多くの選手がスコアを落とす中、ホールアウトした63人の中では唯一、ボギーなしでラウンド。「これ以上ないプレーができた」と自画自賛する内容だった。

 悪天候ほど集中力が高まった。この日は朝から大きな雨粒で、フェアウェーに水が浮くホールもあった。最終18番の第1打後に一時中断となり、ギリギリで第2Rを消化する幸運もあった。レインウェアを着たり、グリップや足元が滑りやすくなったり、普段よりも気を使うが「マイナスなことを考える時間がない。逆にプレーに集中できる」という。4月の関西オープン第3Rも降雨だったが、ノーボギーでツアー自己最少を更新する63をマーク。雨音を快進撃へのリズムに変えている。

 09年には石川遼(31)=カシオ=主催のジュニアイベントに参加。その日もやはり土砂降りだった。石川とは今大会予選2日間で同組になった。過去にも決勝Rで同組はあるが、予選Rでは初。「すばらしい経験ができた」と競演を喜んだ。

 前週のミズノオープンで、大会ホストプロとして男子ツアー400人目の初優勝を遂げた。初Vから2週連続の栄冠なら、日本選手としてはツアー初の快挙だ。だが、先は考えずに「天候もいい予報ではない。目の前の一打に集中して、18ホールとうまく向き合いたい」と第3日に全力を注ぐ。22歳190日での制覇なら大会最年少Vにもなる。「伸ばし合いより、我慢する方が好き」とメジャー向きの忍耐力も兼ね備える。距離の長いツアー屈指の難コースを攻略し、偉業に近づく。(富張 萌黄)

最新のカテゴリー記事