◆女子プロゴルフツアー ミネべアミツミレディス 第2日(7日、北海道・真駒内CC空沼C=6420ヤード、パー72)
欠場者が出て繰り上がりで出場の山本景子(30)=ゴルフ5=が5バーディー、3ボギーで連日の70で回り、通算4アンダーとし、首位と4差の7位で決勝ラウンドに進んだ。16歳でソフトボールからゴルフに転向した異色のプロが、ツアー史上3人目の“ウェーティングV”の快挙に挑む。菊地絵理香(34)=ミネべアミツミ=が8アンダーで首位を守り、小祝さくら(25)=ニトリ=と宮沢美咲(20)=ヘスタ大倉=が1打差2位に浮上。道産子3人娘が上位を独占中だ。
難関の最終18番、山本はグリーン右ラフからの第3打を寄せきれずにボギーとした。悔しさはもちろんあるが、ツアー未勝利の30歳は笑顔だった。試合でプレーできることの喜びをかみしめながらの36ホールだった。「途中からショットが安定してきた。シビアなパーパッドもしっかり決めれた」と納得の表情を浮かべた。
2、3番の連続ボギーから息を吹き返した。17番では7メートルのバーディーパットをカップ真ん中からガツンと沈めた。ドライバーの飛距離は260ヤード。中学までソフトボールで鍛えた足腰と腕力が、ゴルフでも生きている。「基本的な体力作りはしっかりやってきたので、今日みたいなタフなラフでもけっこう振っていける」。粘っこい北海道の洋芝をパワーでねじ伏せた。
父・英之さん(60)の勧めで高校入学後にゴルフを始めた。プロの多くは小学低学年からクラブを握っている。かなり遅いスタートだ。3か月後の初ラウンドは134だった。「初心者ながらに、負けん気だけはあった」。部活後に練習場へ場所を移し、ひたすら球を打った。どんどんゴルフにはまっていった。将来の夢は犬のトリマーからプロゴルファーに変わっていた。
今季5戦目の今大会は、開幕前日にウエーティング2番手からの繰り上がり出場が決まった。航空券の出費を覚悟し、北海道まで飛んだかいがあった。「せっかくのチャンスなので、明日からも楽しみながらアグレッシブにプレーしたい」。プロ8年目で生涯獲得賞金は752万6000円。今週たっぷり稼いで帰る。(高木 恵)
◆山本 景子(やまもと・けいこ)1993年6月5日、岐阜・瑞浪市生まれ。30歳。小、中学時代はソフトボールの投手で県代表。美濃加茂高入学後にゴルフを始め、プロテストは2016年に2度目の挑戦で合格。21年下部ツアー日台交流うどん県レディース優勝。レギュラーツアー最高順位は16年ゴルフ5レディスの13位。愛犬のラブラドルレトリバー「オリーブ」が癒やし。家族は父・英之さん(60)、母・利江さん(60)、兄2人。168センチ。