◆男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 第151回全英オープン 第2日(21日、英国・ロイヤルリバプールGC=7383ヤード、パー71)
【ホイレーク(英国)21日=高木 恵】昨年9月のプロ転向後メジャー初出場の中島啓太(23)=フリー=は、48位で出て2バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの76と崩れ、通算6オーバーに沈んだ。上がり3ホールで4つスコアを落として失速。4度目のメジャーも悔しい結果となった。その挑戦を担当記者の高木が「見た」。比嘉一貴(28)=フリー=は6オーバー、平田憲聖(22)=エレコム=は14オーバーで予選ラウンドを終えた。
決勝ラウンド進出への可能性を残して迎えた18番パー5。ドライバーを振り抜いたティーショットは、会心の一打のはずだった。打球を見届けた中島は、うつむき苦悶(くもん)の表情を浮かべた。「あのバンカーに入っていくボールを見るのが苦しかった」。リンクスコース特有の硬い地面が球の不運な転がりを呼び、罠(わな)に落ちた。5オン2パットのダブルボギーで終戦した。
前日よりも強まった風に神経を削られながら、ただひたすら一打に集中した。ショットを曲げながら、耐えに耐え、パーを拾った。5、7番で第1打をブッシュに入れるアンプレアブルから、ともにパーをセーブした。7番では5メートルをねじ込み、ガッツポーズで自分を鼓舞した。第1ラウンドでイーグルを奪った15番パー5でバーディーを奪い、2オーバーの安全圏に浮上も、終盤失速。「最後は耐えきれなかった。下手くそだなと思った」と唇をかんだ。
渡英前の11日には東京ドームで巨人―広島戦を観戦した。大の巨人ファンは中田翔、秋広優人、丸佳浩による3発快勝を見届けパワーを蓄えた。「相手は床田投手で勝てないかもとも思ったがホームランを3本も見られて、すごく興奮した。いい刺激になった」と目を輝かせていた。過去3大会予選落ちのメジャーにプロとして戻ってきたが、決勝の舞台には届かなかった。
元アマチュア世界ランク1位の逸材。今季日本ツアー1勝で、5~6月に5週連続で最終日最終組で回り、抜群の安定感で優勝争いに絡み続けた。賞金ランクはトップを快走中。日本ツアー代表として、挑んだ大舞台は悔しい2日間に。「追い込まれた場面でも、いいショットを打てるような技術と精神を持ちたい。もっとうまくなりたい。絶対にリベンジしたい」。悔しさを糧に23歳はまた強くなる。