35度超え酷暑でイーグル発進 菅沼菜々が首位タイ 北海道開催の来週は「出られないので頑張ります」


10番、セカンドショットでチップインイーグル、同組の青木瀬令奈(左)とハイタッチを交わす菅沼菜々(カメラ・渡辺 了文)

10番、セカンドショットでチップインイーグル、同組の青木瀬令奈(左)とハイタッチを交わす菅沼菜々(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー 楽天スーパーレディース 第1日(27日、兵庫・東急グランドオークGC=6636ヤード、パー72)

 最高気温が35度を超える酷暑の中、120人が出場。午前組の60人がホールアウトし、23歳の菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が1イーグル、6バーディー、1ボギーの65で回り、午前組では首位タイに立った。宮沢美咲(HESTA大倉)も65をマークして首位タイ。

 10番スタートの菅沼が驚異的なロケットスタートを見せた。401ヤードの10番パー4。残り126ヤードの第2打をピッチングウェッジで直接放り込んだ。「イーグルスタートは初めてですね」と菅沼は笑顔で振り返った。続く376ヤードの11番パー4も、同じく残り126ヤードの第2打をピッチングウェッジでピンにピタリと寄せてバーディー。「11番ももう少しで入りそうでした」と笑った。出だしの2ホールで3アンダー。後半の6番で8アンダーまでスコアを伸ばし、昨年大会で稲見萌寧(Rakuten)、勝みなみ(明治安田生命)がマークした64の大会コースレコードに並びかけたが、7番パー5の第2打を痛恨のOB。それでも、5打目をピンにピタリと寄せてボギーでしのいだ。「ショットが良かったです」と会心の第1ラウンドを満足そうに話した。

 菅沼は不安障害のひとつである「広場恐怖症」を公表している。広場恐怖症とは、広い場所、あるいは閉ざされた場所など特定の場所で恐怖や不安を感じる症状。菅沼の場合、飛行機と新幹線は利用することができず、北海道や沖縄で開催される試合を欠場している。

 来週以降は、北海道meijiカップ(8月4~6日、北海道・札幌国際CC)、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(同11日~13日、長野・軽井沢72G北C)、CATレディース(同18日~20日、神奈川・大箱根CC)、ニトリレディス(同24~27日、北海道・小樽CC)、ゴルフ5レディス(9月1日~3日、北海道・ゴルフ5C美唄C)と5週連続で北海道、あるいは避暑地での開催が続く。多くの選手が涼しい環境でのプレーを熱望している中、菅沼は北海道開催の3試合は欠場する。「来週の試合は出られないので、今週、頑張ります」と明るく話す。

 昨季はポイントランキングで8位と躍進。今季開幕前の2月には昨季の獲得賞金から100万円を日本パラスポーツ協会に寄付した。「私も病と向き合う中、障害を抱えている選手の活躍を応援したい」と考えたという。

 今年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯(9月7日~10日)は長崎県のパサージュ琴海アイランドGCで開催される。「出場します。(前の週の)土曜日くらいに車で出発する予定です」と明かす。自身の置かれた状況で、菅沼は全力を尽くしている。

 今週は、全選手が暑さとの戦いとなる。「暑いのは得意です」ときっぱり話す。広場恐怖症を抱えながらも、笑顔がトレードマークの菅沼は「熱戦」で念願の初勝利を目指す。

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