鈴木愛、66単独首位2年ぶりV王手 暑さ対策スタート前倒し「最高、なにわ男子のライブ間に合います」


5番、ティーショットを放ち打球を見つめる鈴木愛(カメラ・渡辺 了文)

5番、ティーショットを放ち打球を見つめる鈴木愛(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー 楽天スーパーレディース 第3日(29日、兵庫・東急グランドオークGC=6636ヤード、パー72)

 首位タイから出た鈴木愛(29)=セールスフォース=が1イーグル、5バーディー、1ボギーの66で回り、通算17アンダーで単独首位に立った。17、19年賞金女王は21年資生堂レディス以来、約2年ぶりの通算18勝目に王手。今大会は暑さ対策で決勝ラウンド開始が普段より1~2時間、早い設定。最終日最終組の鈴木は試合後、アイドルグループ「なにわ男子」のライブ観賞を予定しており、二重の意味で歓迎した。2差2位に桜井心那(19)=ニトリ=が続く。

 2度の賞金女王に輝いた鈴木が、その実力を発揮した。最終18番パー5。残り44ヤードの第3打を58度のウェッジで放り込んで、イーグル締め。2位の桜井に2打差をつけて首位に立った。

 「ほとんど同じ所から先に打った優利ちゃん(吉田)の第3打が参考になった。追い風に乗せて、というイメージができた」と、会心の一打を振り返った。

 猛暑が続く今大会。120人がプレーする予選2日間は午前組と午後組に分けて行われたが、人数が絞られた決勝2日間は選手、キャディー、観客への暑熱対策として、少しでも暑さが緩和される時間にプレーできるように設定された。この日、鈴木らの最終組は午前8時25分にティーオフし、午後0時59分にホールアウト。他の試合よりも1~2時間早くプレーを終えた。この日の最高気温35・1度に達する前に冷房が利いたクラブハウスに戻った鈴木は「最高!」と笑った。

 最終日も最終組を回る鈴木には早いスタート時間を大歓迎する理由がもう一つ。「試合が終わった後、なにわ男子のライブに行くんです。間に合います」

 6月に新型コロナに感染し3週間、戦線離脱。そのブランクがプラスに働いた。久々にパターを握った時、体の重心がわずかに右に傾いていることに気づいた。ゴルフから離れたことで違和感を察知することができた。ツアー通算17勝の実力は本物。フォローの“熱風”に乗って元女王が復活を期す。(竹内 達朗)

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