史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)が12歳の誕生日を迎えた6日、富士山に登頂し、日本一のゴルファーになることを誓った。7日、群馬・太田市の自宅に戻った弥勒はスポーツ報知の取材に応じ「家族と一緒に日本一高い山に登れてよかった。12歳の誕生日のご来光を富士山から拝むことができたことは大きな意味があります。『日本一のゴルファーに私はなる』と強く誓いました」と目を輝かせて話した。
弥勒は父・憲一さん(49)、兄・桃太郎君(13)、弟・文殊君(8)と一緒に5日午前10時に富士吉田ルートの5合目を出発した。ゆっくり歩く父と弟と別行動で兄と一緒にその日のうちに山頂に到着し、8合目の山小屋まで戻った。6日は夜明け前に父、兄弟と共に再び山頂へ。12歳の誕生日の日の出を富士山で見た。
「9合目までは普段の練習の方がきついですけど、9合目から頂上はさすがに苦しかった。でも、苦しさ以上の充実感がありました」と弥勒は満面の笑みで話した。弥勒に付き合って2度も登頂した桃太郎君は「弥勒は化け物ですよ。普段、父の鍛え方が半端ないことを改めて知りました」と苦笑いした。
12歳の誕生日に、日本一高い山に登ったことには特段の理由があるという。憲一さんは「去年までは毎年、夏は海外遠征がありました。来年からは、いよいよ日本女子プロゴルフツアーに出られます。富士登山は今年しかない、と思い、一緒に登りました」と明かした。
現行の日本女子プロゴルフツアーの規約では満13歳で出場可能。1年後、13歳となる弥勒はアマチュアとしてツアーデビューを目指している。「あと1年で13歳になった時、どれくらい成長できているか分かりませんが、勝みなみ選手が持つ15歳293日のツアー史上最年少優勝記録を大きな目標にしています」と富士山のように高い志を明かす。
小学生のアマチュアゴルファーながら12社・団体とスポンサー契約を締結するなど抜群の存在感を持つ。富士山頂上浅間大社では「心願成就」の祈とうを受けた弥勒は「日本一の富士山で誓ったので、日本一のゴルファーになれるように日々、精進します」と、言葉に力を込めて話した。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入りした。現在、ドライバーの飛距離は約230ヤード。昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。ピアノも得意で今年7月の第24回北関東ピアノコンクールのプレコンペティション部門(ソロ)小学校6年生の部で銀賞を受賞。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。