◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 第1日(24日、福岡・芥屋GC=7216ヤード、パー72)
15歳のアマチュア・外岩戸晟士(ほかいわど・せいじ)が7バーディー、3ボギーの4アンダー68をマークし、首位と3打差の14位でツアーデビューを果たした。石川遼に次ぐツアー2番目の年少優勝(15歳355日)と、日本人4人目の初出場優勝へ、トッププロに食らいつく。プロ1年目の鈴木晃祐(23)=フリー=が7アンダー、65で単独首位発進を決めた。
ひときわ目を引く「外岩戸」の文字が、トップとは3打差の好位置に輝いた。「複雑でした。自分がこの位置にいていいのかと。初めてのツアーで緊張したけど、ミラクルバーディーが来た」。1番は8メートルのスライスラインを沈め、2番はグリーン左からチップイン。7月の九州ジュニアを制して今大会の出場資格を得た15歳のアマチュアが、ツアーデビュー戦で波に乗った。
名字由来ネットによると、日本全国で50人のみという珍しい名字を持つ。「そといわと」と呼ばれることがほとんど。たくましい胸板と上腕二頭筋は「鍛えていない。生まれつき」という天然物で、ドライバーの飛距離は300ヤード超を誇る。「趣味もゴルフ」と言い切り、フリータイムはランニング。バタフライを得意とする身体能力は本物で、1500メートルを週に2回泳ぐ。
前週は日本ジュニアに出場、今週はプロツアーと多忙な夏休みを送る。「早くプロになりたい」と目を輝かせ、15歳という異例の若さで次週のツアー予選会(1次)に挑戦することを決めている。自営業でベストスコア70の父・市郎さん(44)が最近、宮崎のフェニックスCC近くに家を建てた。鹿児島と宮崎の2拠点暮らしもすべてゴルフのためだ。
好物の米は、夕食だけで4合を胃袋に入れる。「予選通過を目指している。しっかり4日間回りたい」と目標を掲げた。市郎さんが「いのしし年なので、いい意味でまっしぐら」と話す15歳。石川遼以来のアマチュアでの初出場優勝も可能な位置から、トッププロに食らいつく。(高木 恵)
◆男子ゴルフツアーの初出場優勝 1973年のツアー制施行後、日本人では重信秀人(1979年中四国オープン)、渋谷稔也(84年九州オープン)、石川遼(2007年マンシングウェアオープンKSBカップ=アマチュア)の3人。
◆外岩戸 晟士(ほかいわど・せいじ)2007年9月6日、東京都生まれ。15歳。2歳の頃に鹿児島・志布志市に転居し、志布志中卒。代々木高1年。祖父と父の影響で3歳からゴルフを始める。今年の日本アマチュア選手権42位、日本ジュニア選手権39位。「お兄ちゃんみたいな存在」という同郷プロの池村寛世と仲が良く、共に練習することが多い。目標は松山英樹。178センチ、85キロ。血液型AB。