大出瑞月「人生は敗者復活」歴代12番目に遅い初Vへ暫定首位発進 センバツ出場経験ある父の影響で甲子園好き


14番、ティーショットを放つ大出瑞月 (カメラ・小泉 洋樹)

14番、ティーショットを放つ大出瑞月 (カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス 第1日(24日、北海道・小樽CC=6695ヤード、パー72)

 第1ラウンドは悪天候により順延され、半数の60人がホールアウトできず。プロ8年目の大出瑞月(25)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66で6アンダーの暫定首位発進した。父は元高校球児で、自身は元ソフトボール選手。大の甲子園好きで、なかでも夏の甲子園で準優勝だった仙台育英・須江航監督(40)が大好き。「人生は敗者復活」という同監督の名言を、今回がツアー200戦目の自らの境遇に重ね、歴代で12番目に遅い初Vを狙う。

 後半の12番からの怒とうの5連続バーディーで、伏兵・大出が暫定トップに立った。前日(23日)は夏の甲子園決勝をテレビで応援。大好きな須江監督の「切り替え、切り替え」というゲキをこの日のラウンド中に頭の中で反復させたという。

 父・茂美さん(54)は、大出の母校でもある群馬・関東学園大付の正三塁手として1986年春のセンバツに出場。大出は父の影響で小中時代はソフトボールに取り組み、須江監督のファンになったのは昨夏の全国制覇前から。「青春は密」の流行語で有名になった同監督が、慶応に敗れた決勝戦後に発した「人生は敗者復活」の言葉も心を揺さぶった。

 ツアー通算199戦に出場も、18年6月のヨネックスレディスの4打差2位が最高で初Vには遠かった。ところが前週、同学年の蛭田みな美(26)が8年目で初優勝し、刺激を受けた。ツアー歴代12位のスロー記録となる頂点が懸かる中「人生は敗者復活の方がいい。(私が優勝したら)遅い方じゃないですか」と笑った。夏の小樽で甲子園に負けない熱い戦いを繰り広げる。(岩原 正幸)

 ◆初優勝までに要した試合数のツアー最長記録 最も遅いのは、鬼沢信子(2010年ニトリレディス)の463試合。前週の蛭田みな美の179試合は歴代19番目。大出が200試合目で初優勝すると、1992年・日吉久美子の歴代12番目に並ぶ。※記録は1988年のツアー制施行後

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