桜井心那、宮里藍と畑岡奈紗に次ぐ3人目の10代3勝 次週こちらも10代3人目メジャー制覇へ「勝ちたい」


18番、優勝トロフィーを手にして笑顔をみせる桜井心那(カメラ・小泉 洋樹)

18番、優勝トロフィーを手にして笑顔をみせる桜井心那(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス最終日(3日、北海道・ゴルフ5C美唄C=6472ヤード、パー72)

 首位と1打差の2位から出た桜井心那(19)=ニトリ=が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算10アンダーで逆転優勝した。今年7月の資生堂レディス、楽天スーパーレディースに続き、今季&通算3勝目。宮里藍、畑岡奈紗に続くツアー史上3人目の10代3勝を達成した。地元の長崎で開催される次週の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯でメジャー初Vを目指す。小祝さくら(25)=ニトリ=と山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=が1打差の2位。

 うまい、というより、強い。桜井は19歳にして勝ち方を知っている。

 小祝、山下と並んで迎えた最終18番パー4。「ここでベタピンにつけたらカッコいいな」。成功のイメージだけを持って放った第2打(残り124ヤード、46度ウェッジ)は狙い通りにピン手前2メートルへ運んだ。

 決めれば優勝、外せばプレーオフのパットは微妙なスライスライン。「(曲がり幅は)薄く強く打った」とウィニングパットを冷静に振り返った。古今東西、ここ一番で強気のパットをできる選手が勝利を重ねてきた。桜井は勝者のメンタリティーと勝利の方程式を身につけている。

 昨季は下部ツアーで驚異の5勝。初の本格参戦となった今季のレギュラーでは7月に初勝利、その3戦後に2勝目。プロゴルフの世界で「初優勝より2勝目が難しい」という格言があるが、難なく乗り越え、その5戦後には、宮里、畑岡に次いでツアー史上3人目の10代3勝目。「ダイヤモンド世代」の03年度生まれで突き抜けた存在になった。

 「宮里さん、畑岡さんに私が並んではいけません。まだまだ下手なので」。プレーが終われば謙虚だが、大先輩に劣らない潜在能力を持つ。ドライバー平均飛距離ランク4位(256・8ヤード)。スケールの大きなゴルフも桜井の魅力だ。

 次週は地元、長崎のパサージュ琴海アイランドGCで開催される日本女子プロ選手権。「メジャーで勝ちたい」と意欲。畑岡、川崎春花に次いでツアー3人目の10代のメジャー制覇に挑む。

 急成長が続くが、その歩みを緩めるつもりはない。「プロになった時、10代も20代もあっという間(に過ぎる)という意識があった」と話す。年月の速さは、年齢を重ねて気がつくものだが、桜井はすでに心得ている。すべてにおいて、ただ者ではない。(竹内 達朗)

 ◆桜井 心那(さくらい・ここな)2004年2月13日、長崎市生まれ。19歳。父の影響で6歳からゴルフを始める。21年11月、長崎日大高3年時にプロテスト一発合格。22年はレギュラーツアー5戦に出場し、ポイントランク94位。下部ツアーでは16戦5勝。2511万4100円を稼ぎ、断トツで賞金女王となり、今季からレギュラーツアーにフル参戦。7月に一気に2勝を挙げた。166センチ、62キロ。家族は両親と兄2人。

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