◆女子プロゴルフツアー 住友生命レディス東海クラシック 第1日(15日、愛知・新南愛知CC美浜C=6534ヤード、パー72)
ツアー1勝の岩井明愛(あきえ、21)=ホンダ=が9バーディー、ボギーなしで大会コース記録に並ぶ63をマーク。2位に3打差をつけ、単独首位で発進した。今季24試合出場でトップ10入り13回(全体2位)と抜群の安定感を誇るが、いまだ1勝。惜敗を繰り返さないよう「優勝はこの先考えずにやる」と「優勝」封印を宣言。優勝を「アレ」と表現し、18年ぶりのリーグ優勝を飾ったプロ野球・阪神の岡田彰布監督(65)流で4月以来の2勝目に挑む。稲見萌寧(24)=Rakuten=ら4人が2位。
悔しい思いはもうしたくない。岩井明は無心で9バーディーを量産した。前半の9番から、圧巻の5連続バーディーを奪取。大会コース記録に並ぶ63で今季4度目(タイ1度含む)の首位発進だ。気温31度を超える中、知多半島に位置するコースに集まった5227人の観客を沸かせ、「これだけパットが入ったら楽ですよね」と満足げにほほ笑んだ。
4月のバンテリンレディスで初優勝を果たしたが、5月以降はプレーオフ(PO)負け3回を含む2位が5回。2勝目が遠い21歳は頭の中をクリアにして挑んだ。「勝ちたい意識が強かったので、先週くらいからそれをやめようと。優勝を考えると体が思うように動かない。自分のゴルフに集中したい」。14日に18年ぶりのリーグ優勝を決めたプロ野球・阪神の岡田監督は優勝を「アレ」と表現して今季戦った。岩井明も「優勝」の2文字は封印する。
今季平均飛距離254・58ヤードのツアー屈指の飛ばし屋だ。12番パー5では、残り270ヤードの2打目でドライバーを握り、ピン6メートルに運ぶ豪快な“直ドラ”を披露。「距離が残って、ライがいい時は(直ドラは)よくやる」と楽々バーディーを奪った。圧巻のスコア(63)は、6月のニチレイレディス第2日に記録した自己最少62まであと1打と迫った。「その時とテンポが似ていた」と攻めのゴルフは忘れていない。「(意識はしなくても勝つ)自信はある」と今季飛躍中の21歳。まっさらな気持ちで2つ目のタイトルへと突き進む。(岩原 正幸)
◆大会コース記録タイ 岩井明愛の9アンダー63は、21年大会の西村優菜以来6人目。14年O・サタヤ(タイ)、16年テレサ・ルー(台湾)、19年李知姫、申ジエ(ともに韓国)も記録を持つ。