◆女子プロゴルフツアー 住友生命レディス東海クラシック 最終日(17日、愛知・新南愛知CC美浜C=6534ヤード、パー72)
岩井明愛(あきえ、21)=ホンダ=が4バーディー、1ダブルボギーの70で回り、通算15アンダーで初日から首位を守る完全優勝で通算2勝目を飾った。4月のKKT杯バンテリンレディスでの初V後は2位が5回あったが、悔しさを晴らした。ポイントランクでも首位の申ジエ(韓国)に242・4ポイント差に迫る3位で、初の年間女王の座も見えてきた。67の小祝さくら(25)=ニトリ=が1打差2位。
積もりに積もった思いが目元からあふれ出た。18番、20センチのパーパットを沈めた岩井明は両手を天に広げ、涙を拭った。「2勝目がなかなかできず不安だったのでホッとした。(この5か月は)勝ちたくても勝てない試合もあって、長かった」と心の底から喜びを表現した。
4月の初V後はプレーオフ負け3回を含む2位が5回。これまでは優勝争いの終盤に短いパットをミスするなど、2勝目が遠かった。今週はコース記録タイの63を出した初日から「優勝は意識しない」と、プロ野球・阪神の岡田彰布監督のように目指すべき“アレ”の2文字を封印。この日も「応援に来てくださった方に『期待しないで』と言っていた」と明かすなど、目の前のプレーに集中した。
4打リードの14番、バンカーからの第2打を奥へOB。ダブルボギーで小祝に急接近され、一時は並ばれた。だが、16番で80センチに運ぶバーディーでガッツポーズ。「(ダボ後も)多分大丈夫だろうと落ち着いていた。前の自分とは違う」と精神面の成長に胸を張った。最終日は予選落ちで不在だった双子の妹で通算4勝の千怜(ちさと)にも今季勝利数で並んだ。
これで優勝の200ポイントを加え、年間女王を争うメルセデス・ランクで申に242・4ポイント差に肉薄。4日間大会優勝(300ポイント)で逆転できる差だ。最終戦決着なら、21歳144日で昨年の山下美夢有(みゆう)の21歳103日に次ぐ年少2位のタイトルとなる。「いずれは狙いたい」。残りの全10試合に出場を予定し「変わらず一試合一試合、上を目指して戦うだけ」と口元を引き締めた。(岩原 正幸)