◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 最終日(17日、北海道GC輪厚C=7066ヤード、パー72)
3打差3位で出た選手会長の谷原秀人(44)=国際スポーツ振興協会=が5バーディー、ボギーなしの67をマークし、通算18アンダーで逆転優勝。6月のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品以来となる今季2勝目、通算19勝目を挙げた。17日に32歳の誕生日を迎えた石川遼(カシオ)は69と伸ばしきれず、15アンダー6位だった。
18番での6メートルのバーディーパットは、カップまであと15センチの距離で止まった。谷原はウィニングパットを残すことなく、“お先”にと、あっさり沈めた。「もうこの年になって、いいかなと。そこまでガッツポーズも出てこないだろうし」。17度目の挑戦でたどり着いた輪厚の頂。44歳の選手会長は喜びを内に秘め、淡々とグリーンを下りた。
16番でスコアを確認した。17アンダーで前田と並んでいることを知った。「17、18番で取れば勝ちか」。パット巧者は17番でピン奥6メートルのカラーからのバーディートライを沈めて1打抜け出し、勝負を決した。3打差逆転で手にした今季2勝目に「また、まさか。です」と驚いてみせた。2か月ぶりとなった日本ツアーで、今季8戦2勝の高勝率を残している。
混戦でこそ、ベテランの勝負強さが生きる。「普段通りできるところが強み。昔みたいに震えるとか、そういうのが老いてちょっとずつ減ってきた」と冗談めかした。19勝を積み重ねてきた。とことんゴルフと向き合ってきた自負がある。「努力すれば報われるわけじゃないけど、努力し続けなければ報われない。ずっとできるかどうか、そこだと思う」。人一倍の努力をやめるつもりはない。若い世代と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、節目の20勝へ向かう。(高木 恵)