◆女子プロゴルフツアー 今季メジャー第3戦 日本女子オープン 最終日(1日、福井・芦原GC海C=6528ヤード、パー72)
原英莉花(NIPPON EXPRESSホールディングス)が3年ぶりの大会2勝目、メジャー通算3勝目を飾った。国内ツアーの6日開幕・スタンレー・レディス(静岡)を経て、17日から来季米ツアーの2次予選会(フロリダ州)に挑む。2020年のメジャー2連勝から、腰痛と闘ってきた黄金世代の遅咲き24歳の軌跡を岩原正幸記者が「見た」。
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原は20年秋に日本女子オープン、ツアー選手権リコー杯とメジャーを連勝した後、翌年春に痛めた腰痛の影響で長く足踏みが続いた。同じ98年度生まれ「黄金世代」では大会3勝の畑岡奈紗が米ツアー7年目、前年まで2連覇の勝みなみも今季から米ツアーを主戦場とし、海の向こうで戦う同学年を追いかける立場でもある。
今大会には15年から9回目の出場。3年前の初優勝時、16、17年に畑岡が連覇した時を振り返り「すごいな、としか思わなかったけど今、同じトロフィーを持っているのがうれしい」と喜んだ。15年に12オーバーで予選落ちした時、「こんな舞台でいつか勝てる日が来るのか…」と痛感した最高峰のメジャーで2度も頂点をつかんだ。
目の前に敵がいて、一騎打ちの展開となった時の強さが戻った。20年大会の最終日では、同学年の小祝さくらを4打退けた。小祝が好ショットを見せれば、原はさらにその上を行った。今回も菊地に一度並ばれたものの、首位を譲らなかった。
今後は2次QT、11月末から6ラウンドで争う最終QTで来季の米ツアー出場権を懸けて戦う。今回の優勝で、11月2日開幕の日米ツアー共催、TOTOジャパンクラシック(茨城)に出場できるのも大きい。優勝すれば、最終QTが免除で米ツアー会員への道も開ける。けがによる不振、離脱はあったが、持ち前の勝負師ぶりは健在。女子ゴルファー日本一の称号を再び得て、渋野日向子らが待つ米国へ挑戦する。(岩原 正幸)