ゴルフ日本シリーズ11月30日開幕 初賞金王へ1位金谷拓実「取りにいく」2位中島啓太「マスターズのチャンスも」


金谷拓実

金谷拓実

 国内男子プロゴルフツアー今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(11月30日~12月3日・東京よみうりCC)の開催要項が10日、発表された。今季は、現在の賞金ランクで1位・金谷拓実(25)=Yogibo=、同2位・中島啓太(23)=フリー=、同4位・蝉川泰果(22)=フリー=と20代の日本人若手トリオが活躍。世界を志す3人を中心とした賞金王争いが白熱し、ツアーの主役が決定する。

 最後に頂点に立つのは誰なのか。賞金王争いはいずれも初戴冠を目指す金谷、中島、蝉川という勢いある若手が上位にひしめき合う熱い展開となっている。前週のACN選手権2位で賞金ランク3位に浮上した宋永漢(ソン・ヨンハン、韓国)も加わる中、シーズン終了後に日本人の20代選手がトップ3を占めれば、1973年のツアー制施行後、昨年に続いて2度目だ。

 ショートゲームが持ち味の金谷は、6月のBMWツアー選手権森ビル杯で待望のメジャー初制覇。海外進出の足掛かりとなる5年シードをつかんだ。9月に2勝目を挙げ、賞金ランク首位に浮上すると「もちろん賞金王を取りにいく気持ちでいる」と宣言した。日本シリーズは21年(3位)以来、2年ぶりの出場。高速グリーンが名物の最終18番パー3について「見ている方も、プレーしている方も面白い」と話していた。

 約274万円の僅差で追う中島は、5~6月に5週連続で最終日最終組と優勝争いを繰り広げた。6、8月にツアー優勝し、今季バーディー率(4・803)で全体1位と積極果敢なプレーが光る。「賞金ランク1位を目指していけば、(昨年賞金王の比嘉一貴が招待された例もあり)マスターズ(米国)のチャンスも少なからずあると思う」と、来年4月の海外メジャーへ扉を開くためにも頂を見据える。

 ドライバーを得意とする蝉川は首位・金谷を約3346万円差で追い、今後の活躍次第で逆転タイトルが見えてくる。最終戦を「本当に一握りの選手しか出られない大会」と位置づけており、今年は春先から「賞金王を目指したい」と照準を定める。22歳でツアーの頂点に立てば、09年石川遼の18歳、13年松山英樹の21歳に次ぐ年少3番目での王座となる。

 昨年大会は40代の谷原秀人が連覇を達成し、2打差以内に6人という大混戦だった。年内最後の大勝負で、どんなドラマが待ち受けるのか。20代3人を中心とした精鋭たちが、難コースで力と技の競演を繰り広げる。(岩原 正幸)

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