史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(12)=ゴルフ5=が10日、賞金総額300万円(優勝100万円)をかけたプロパッティングツアー最終戦の全日本選手権(11月18日、兵庫・新宝塚CC)の優勝に強い意欲を示した。
パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約2メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36の予選ラウンドを行う。上位6人(首位と2打差以内)が予選ラウンドの成績を持ち越して3ホールの決勝ラウンドで最終順位を決める。弥勒は将来を見据えてパットの技術を磨くため、2年前から同ツアーに参戦。7日に宮城・大崎GC三本木Cで行われたプロパッティングツアー第26戦ではプレーオフで20メートルのロングパットをねじ込む劇的な展開でツアー2勝目と優勝賞金10万円を獲得した。
7日と8日に同会場で行われた4戦で優勝、準優勝、8位、5位と大活躍し、ポイントランキングで3位以内に浮上することが確定。上位選手だけで争われる全日本選手権には一躍、優勝候補として挑む。「絶対に優勝して日本タイトルを取りたいです」と弥勒は意欲満々に話した。
弥勒にとって、もうひとつ優勝への大きなモチベーションとなっているのが、100万円の優勝賞金だ。
22年にアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったため、弥勒のもとにはスポンサーからオファーが殺到。所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約を結んだ。また、アマ規定の改定によって、ドライビングコンテストやパッティング大会などでアマチュアは上限なしで賞金を得ることも可能になった。
「スポンサー料は弥勒のゴルフのために使う」という父・憲一さんの方針で群馬・太田市内の自宅に1000万円以上をかけて最新鋭システムの練習場を完成させた。ただ、プロパッティングツアーで獲得した賞金は、両親との約束で、弥勒が自由に使えることになっている。
「賞金総額が300万円で、優勝賞金が100万円はすごい。1か月のお小遣いが1000円の私には、想像がつかない金額です。実は100万円で買いたい物があります。今は内緒ですけど、100万円をゲットしたら発表します。優勝と100万円を目指して頑張ります!」
弥勒は12歳ながら旺盛な“プロ魂”を見せつけて堂々と宣言した。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入り。昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。ピアノも得意で今年7月の第24回北関東ピアノコンクールのプレコンペティション部門(ソロ)小学校6年生の部で銀賞を受賞。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。