◆女子プロゴルフツアー 富士通レディース 最終日(15日、千葉・セブンハンドレッドC=6697ヤード、パー72)
最終ラウンド(R)は降雨によるコースコンディション不良のため中止となり、36ホールの短縮競技となった。第2R終了時点で通算12アンダーで首位の19歳・桜井心那(ここな)=ニトリ=が優勝した。宮里藍、畑岡奈紗に次ぐ3人目の10代4勝を達成。海外志向が強く、来月2日開幕の米女子プロゴルフ協会公式戦・TOTOジャパンクラシックVから米ツアー参戦を狙う。
手にした4勝目の大きさを桜井がかみ締めた。「この試合は優勝を狙っていたのでうれしい。(競技短縮も)優勝は優勝なので、自信を持っていきたい」。タッグを組み3勝を挙げる古賀雄二キャディーから「富士通のコースは合っている、富士通は勝てる」と言われていた。ティーショットの平均飛距離はツアー4位の256・95ヤード。飛ばし屋有利の今大会に照準を合わせていただけに喜びはひとしおだ。
最終日が悪天候となることを見込み、2日目に最少63を出して単独首位に立つなどマネジメントもさえた。「しっかり伸ばして、首位に立てたのは大きかった。ビッグスコアを出しての優勝には憧れはあった。今回、新しい優勝の仕方を経験できた」と、大きな意味を持つ優勝だった。
10代で4勝は、宮里、畑岡に次ぐ3人目の快挙となった。3勝目を挙げた際は「私が並んではいけません。まだまだ下手」と謙遜。その思いは変わらず「背中を追っていきたい」と偉大な先輩への憧れを口にした。ツアーは今季残り6試合で、国内メジャーへの思いも強い。「リコー(今季最終戦・JLPGAツアー選手権リコー杯=報知新聞社後援=)が残っている。もちろん勝ちたい」と口にした。
8月には自身初の海外メジャー・AIG全英女子オープンに出場。「海外で活躍している日本の選手を間近で見ることができた。私もこういう世界を目指さないといけない」と海外志向が高まった。11月の「TOTO―」で優勝を果たせば、来季米ツアーの出場権を獲得できる。「TOTOで優勝して行くのが一番いい」。もう4勝目は過去のこと。19歳の桜井は、さらに上を見つめている。(富張 萌黄)
◆桜井 心那(さくらい・ここな)2004年2月13日、長崎市生まれ。19歳。父の影響で6歳からゴルフを始める。21年11月、長崎日大高3年時にプロテスト一発合格。22年下部ツアー新記録となる5勝を挙げた。2511万4100円を稼ぎ、断トツで賞金女王となり、今季からレギュラーツアーにフル参戦。7月の資生堂レディスでツアー初優勝。166センチ、62キロ。家族は両親と兄2人。