木下裕太「夢の中にいるよう」涙の5年ぶりⅤ 17番で3人が並ぶも「完全な挑戦者の気持ち」で競り勝った


木下裕太

木下裕太

◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック 最終日(1日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)

 首位で出た木下裕太(37)=光莉リゾート&GOLF=が4バーディー、ボギーなしの67で回り、通算15アンダーで2018年マイナビABC選手権以来となるツアー2勝目を挙げた。ツアー6勝の星野陸也(27)=興和=、同5勝の金谷拓実(25)=Yogibo=との最終日最終組での真っ向勝負を制し、男泣きに暮れた。

 こみ上げた。木下裕の笑顔はすぐに泣き顔に変わった。「夢の中にいるよう」。5年前の初優勝よりも達成感に満ちていた。「日本の1位、2位と言っても過言ではない選手に、真っ向勝負で勝てたことは自信になった」。星野と金谷相手に譲らず、勝負どころで突き放した。

 3人が14アンダーで並んで迎えた17番。「本気でバーディーを狙いにいった。完全な挑戦者の気持ちでできた」。138ヤードの第2打を9アイアンで3メートルにつけた。ねじ込み右拳を握った。2人の強者との対決前夜の心境は「ワクワクして眠れなかった。遠足前の小学生のような気持ちだった」。最終日、キャディーと何度も言い合った。「2人がすごすぎるから気が楽だよね」。競り合いに心が躍った。

 大会前の賞金ランクは87位で、来季シード獲得圏外だった。この日の勝利で2年シードを獲得し、5年ぶりに最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(11月30日開幕・東京よみうりCC=報知新聞社主催)出場も決めた。「初めて出た時は出られただけで喜んでいたけど、今年は優勝争いをしたい」。37歳のチャレンジャーが、三好で自信を取り戻した。(高木 恵)

最新のカテゴリー記事