◆米男子プロゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ 第1日(19日、千葉・アコーディア習志野CC=7079ヤード、パー70)
2021年大会覇者で2か月ぶりに実戦に復帰した松山英樹(31)=LEXUS=は1イーグル、2バーディー、3ボギーの1アンダー69で回り、首位と5打差の26位でスタートした。2オーバーから起死回生のスーパーイーグルを奪い、5651人のギャラリーを沸かせた。65をマークした堀川未来夢(30)=Wave Energy=が日本勢最上の2位発進。コリン・モリカワ(米国)が6アンダーで単独首位。
松山の一撃が、この日一番の熱狂をコースに生んだ。14番パー5(608ヤード)。グリーン面が全く見えない打ち上げの第2打は、ピンまで250ヤード。5ウッドを強振した。美しい弧を描き、グリーンセンターに着弾。ピン奥1メートル弱に止まった。「見えないので、後ろの木に向かってフェードで打てばいい感じかなと。いいショットを打てた。歓声がすごかったので、(ピンに)ついたなと感じた」。復帰戦いきなりのスーパーイーグルで、ギャラリーの度肝を抜いた。
背中痛で棄権した8月のプレーオフ第2戦・BMW選手権以来となる2か月ぶりの実戦が幕を開けた。1番のティーグランドに立った瞬間、突如鼓動が高鳴り、気持ちが張り詰めた。「緊張した。やっぱりちょっと、バタバタしながらだった」と松山。「ハーフターンをするくらいまで浮ついた感じだったが、そこからは普通にはできた」。最終18番をバーディーで締めるV字回復のフィニッシュに「アンダーパーで終われて良かった」と胸をなでおろした。
9、10番とグリーン回りのバンカーからの第3打が寄らずに連続ボギーを喫した。12番はグリーン左ラフからの難しいアプローチが残り、2オーバーまでスコアを落とした。「心が折れそうだった」と弱気になったが、大ギャラリーの声援に再び奮い立った。平日にもかかわらず、5651人が来場。「踏みとどまれて良かった」と応援に感謝した。
1年ぶりの日本凱旋で、出遅れを回避した。ホールアウト後すぐに、練習グリーンで調整。「ショットは少しずつよくなる気配は感じている。パッティングが良くなれば、ショットもリズムに乗っていけるかなという感じ」。トップとは5打差。最終日の優勝争いへ、徐々にギアを上げていく。(高木 恵)
◆松山とZOZOチャンピオンシップ
▽2019年 日本初開催の米ツアーで16アンダーの2位。優勝したタイガー・ウッズ(米国)に3打及ばなかったが、日本のエースとしての意地を見せる。
▽20年 コロナ禍により米国開催。最終ラウンド(R)で66をマーク。13アンダーで28位。
▽21年 1打差の首位で出ると、最終日の18番パー5を圧巻のイーグル締め。65で回り、2位に5打差をつけ15アンダーで日米通算15勝目を飾る。
▽22年 71で首位と7打差の41位発進から第2Rは69で49位に後退。第3Rで66をマークし31位。最終Rは71で3アンダー40位。