谷原秀人、史上2人目メジャーV3へ「グリーン上の勝負」…日本シリーズJTカップ11月30日開幕


22年のゴルフ日本シリーズで2連覇しVサインする谷原秀人

22年のゴルフ日本シリーズで2連覇しVサインする谷原秀人

 2023年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは30日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開かれる。今年のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。出場予定の9選手を連載で紹介する。第1回は10~12年大会の藤田寛之以来、国内メジャー2人目となる3連覇の偉業に挑む谷原秀人。

 重圧に動じることなく淡々と、「普段通り」を積み重ねた結果が呼び込んだ、谷原の今季2勝。グリーン上で無類の強さを誇る44歳は、まるでプロ野球・阪神の岡田彰布監督(65)の名台詞「そらそうよ」と言わんばかりに、勝因に「パッティング」を挙げた。

 日々の取り組みは谷原流だ。「僕はロングパットの練習しかしない。ショートパットはほとんどしない。まず、タッチを合わせること」。5~10メートルの上りと下りの練習に時間を割く。試合がない期間、ラウンド以外は全くパターは打たない。「神経質に1メートルを一生懸命極めるみたいな練習は逆にイップスになっちゃう。手が動かなくなる。感じたまま、そこにボールが打てればいい」というのが名手の考えだ。

 勢いある若手の存在を刺激に、プロ23年目の今年も新鮮な気持ちでツアーに臨んでいる。「最近の若い子は強いし、うまい。どんどんレベルも上がっているし、ここが下手だというところが少ないというか、そつがない」。試合中も「そういう風に打つんだ」「そういう風に考えているんだ」と新しい発見の連続。「若手から学ぶ部分はたくさんある」と向上心は尽きない。

 メジャーでは藤田以来2人目となるV3への挑戦権を持って、第60回の記念大会を迎える。「歴史ある大会で3連覇を狙える位置にいることは誇らしい。あのコースはグリーン上の勝負なのかなと思う」。節目の通算20勝と11年ぶりの偉業へ―。速く傾斜が強い東京よみうりCCの美しいグリーンで、谷原の持ち味が生きる。(高木 恵)

 ◆谷原 秀人(たにはら・ひでと)1978年11月16日、広島・尾道市生まれ。44歳。12歳からゴルフを始め、瀬戸内高から東北福祉大を経て01年にプロ転向。03年マンダムルシードよみうりオープンで初V。05年米ツアー参戦。06年全英オープン5位。17年から3年間、欧州ツアー参戦。22年から選手会長。178センチ、80キロ。家族は元アイドル「ココナッツ娘。」の妻・絢香さんと1男1女。

 ◆国内男子ツアーの同一大会3連覇以上 1973年のツアー制施行後、計9人が12度記録。74~78年九州オープンの鈴木規夫、80~84年中四国オープンの倉本昌弘の5連覇が最多記録。3連覇は73~75年の東北クラシックなどで4度の尾崎将司、73~75年関西オープンの杉原輝男、78~80年中日クラウンズの青木功らがマーク。メジャーでは、10~12年日本シリーズJTカップの藤田寛之のみ。

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