岩崎亜久竜、欧州での苦闘で磨いた「リカバリー」…日本シリーズJTカップ11月30日開幕


日本オープンで初優勝を飾った岩崎亜久竜

日本オープンで初優勝を飾った岩崎亜久竜

 2023年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは30日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開かれる。今年のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。出場予定の9選手を連載で紹介する。第2回は岩崎亜久竜(25)=フリー=。

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 「ゴルファー日本一」を決める10月のメジャー、日本オープン。3差7位で出た岩崎は最終日に平均300ヤードの飛距離を武器に最少65で回り、逆転で初優勝を飾った。堂々の体格を生かした豪快なショットが持ち味。さらに、この大会は平均パット数も1位で「ラフが長く、セッティングが合っていた。(欧州でなくした自信が)回復しました。人生で一番幸せです」とさわやかに笑った。

 昨季は2位3回を含むトップ10入り10回も最終日に伸ばせず未勝利。賞金ランク3位の資格で今年、挑戦した欧州ツアーは15戦で60位が最高と大苦戦。「毎週違う国で試合。違う芝、違う気候。ラフが深くて。その中でドライバーでギリギリを攻めて、ミスした時のリカバリー能力が必要になる」。秋に日本に戻ると、小技の練習量を増やした。異国での苦闘が、国内最高峰のメジャーの難設定を勝ち抜く原動力となっていた。

 高校、大学で約7年、アルバイトを経験した苦労人だ。「遠征費などお金がかかる。少し足しに」。ミスタードーナツ、コンビニで接客も担当した。「(高校が)通信制だったので朝3~4時間バイトして、勉強、練習」という生活も持ち前の明るさで乗り越えてきた。2年連続の日本シリーズへ「特別感がある大会。優勝を目指したい」と岩崎。欧州仕込みのゴルフで、歴代2番目の年少記録となる国内メジャー2連勝に挑む。(岩原 正幸)

 ◆岩崎 亜久竜(いわさき・あぐり)1997年12月17日、静岡・清水町生まれ。25歳。8歳でゴルフを始め、中学3年時に関東ジュニア2位。クラーク国際高から日大に進学。20年9月にプロ転向し、昨年は賞金ランク3位。今季は欧州を主戦場としたが、15戦で予選通過3回と苦戦。日本オープンで初V。「海外で通用するように」と名付けられた。181センチ、86キロ。家族は両親と姉。

 ◆1987年第24回(大会初の王者2人誕生) 大阪大会(大阪よみうりCC)の第1日が1981年以来の降雪での中止。54ホールの短縮競技として行われ、第1日は青木功(当時45)が67で首位発進。東京よみうりCCに戦いの場を移した2日目にデビッド・イシイ(当時32)=米国=が69をマークして青木とともに首位に並んだ。1打差で尾崎将司が続いていたが、東京大会最終日も雪のために中止。大会史上初の優勝者2人が誕生し、イシイが外国人初の賞金王となった。

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