「日本一曲げない男」稲森佑貴、来年生まれる第1子のため頑張る 日本シリーズJTカップ30日から


稲森佑貴

稲森佑貴

 2023年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは30日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開かれる。今年のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。出場予定の9選手を連載で紹介する。第6回は稲森佑貴(29)=国際スポーツ振興協会=。

 「日本一曲げない男」が苦悩を乗り越え、約1年3か月ぶりの勝利をつかんだ。10月のACN選手権最終日。2打差3位から出て最少スコア66で回り、韓国の宋永漢(ソン・ヨンハン)とのプレーオフを1ホール目で制した。大会4日間のフェアウェーキープ率87・50%で全体トップ。「風も強かったので、フェアウェーキープを重点的にやっていた」とパーオン率も77・78%の1位で、バーディーラッシュを演じた。

 優勝インタビューでは右手で顔を覆って男泣き。「夏場くらいから、思うようなショットができなかった…」と明かした。フェアウェーキープ率は7季連続1位。今季は79・60%と前人未到の大台80%到達も迫っている。そんな「日本一曲げない男」は一途な思いを貫き今季初Vを手にした。

 支えとなったのは家族だった。妻・美穂さんはツアーに同行し、来年3月には待望の第1子が誕生予定。「生まれるまで時間はあるんですけど、(胎内で)動いているシーンも結構見ていたので、この子のためにも頑張ろうみたいな感じにはなった」と、父としての責任感も芽生え始めた。

 日本シリーズは好発進が多いものの、最高は17年の5位。「なかなか波に乗れていない。初日、2日目のどっちかで伸ばして3日目は耐える。最終日にドンと爆発力が出せれば」と必勝プランを描く。堅実に初冬の東京よみうりCCを攻略する。(富張 萌黄)

 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき)1994年10月2日、鹿児島県出身。29歳。実家が練習場で6歳からゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の2011年に16歳でプロテストに一発合格。日本オープンで初優勝を遂げた18年に自己最高の賞金ランク3位。フェアウェーキープ率は15年から7季連続で1位。20年2月に結婚。169センチ、68キロ。家族は妻。

 ◆2009年第46回(丸山が10年ぶり制覇) 米通算3勝の丸山茂樹(当時)が初日70で5位発進、2日目はベストスコア67で回って単独首位へ。3日目は70で4差4位へ後退。最終日は6バーディー、ボギーなしの64。通算9アンダーで並んだ金庚泰(韓国)との18番パー3の名物ホールでのプレーオフを4ホール目でパーをセーブして制し、10年ぶりの国内10勝目。97年に続く大会2勝目で“マルちゃんスマイル”が満開に。また、3オーバー19位だった石川遼が18歳2か月19日で世界最年少賞金王(当時)に輝いた。

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